特集 「自立心」を育てる進路学習
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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「論文」の書き方を重視し論理的思考力や問題意識を養う

 論文指導で最も時間をかけるのは、論文の書き方そのものだ。レポートと論文の違い、テーマの決め方、導入の書き方、文章作成上の工夫、論証のテクニックなどを徹底的に指導し、論文とは何かを生徒にたたき込む。
 「論文作成の過程で、社会への問題意識や物事を批判的・多面的に受け止める力まで身に付けることを目標としています。ただ、3年間でそれを実現するのは難しい。最低限、身に付けてほしいのは、大学で論文やレポートを作成するために必要な力です。どこに信頼できる情報があり、どのように集めるのか、どうすれば論理的に表現できるのか。自分で課題を見つけて解決できる力を『自立』というのならば、情報収集力や論理力、表現力の習得こそが、『自立』に向けた第一歩といえるのではないでしょうか」(谷藤先生)
 同校の卒業生に対する大学の評価は高い。他校からの進学者に比べて、レポートを書き慣れている、調べたりまとめたりする力が身に付いているという声が、複数の大学教員から寄せられる。卒業生からの近況報告では、「総合学習での体験が大学でレポートや論文を書く際に役立っている」と伝えてくるという。生徒は高校を卒業して初めて、大学で学ぶ上で不可欠のツールを手に入れていたことに気付くのである。

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