大学生の学習・生活実態調査報告書
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保護者との関係

 約6割の大学生が、なにごとも自分で決めることが多く、困ったことは自分で解決すると回答したが、約4割の大学生は、保護者のアドバイスに従うことが多く、困ったときには保護者が助けてくれると回答した。

Q
あなたと保護者との関係について、それぞれについてもっとも近いもの1つをお選びください。
 現在の大学生と保護者との関係はどのようになっているのであろうか。大学生になってまで、保護者との関係についてたずねるのは一見奇異な印象を与えるかもしれない。しかしながら、大学生にとって保護者の存在が以前よりも大きくなっていることは確かであろう。各大学において教育方針や学生の学修状況への理解を深めてもらうために、在学生の保護者との懇談会をしばしば開催することはもはや珍しくない。オープンキャンパスともなれば、保護者同伴で来場する高校生が多く、体験授業や個別相談会にも積極的に参加する保護者の姿がみられる。こうしたことから考えると、大学生の意識を明らかにするにあたって、保護者の存在や保護者とのかかわり方を無視することはできない。

 それでは、回答結果をみてみよう。図5-1-3は、2つの対立する選択肢から自分の状況に近いものを選んでもらった結果である。3問ともどちらか一方の選択肢に極端に偏るわけではなく、およそ4:6の割合で二分している。いずれの設問も、Aは保護者への依存度を、Bは学生の自立度を示す選択肢を設定した。

  まず、意思決定の面については、「B:なにごとも自分で決めることが多い」(59.9%、「B」+「どちらかというとBに近い」の%、以下同)>「A:保護者のアドバイスや意見に従うことが多い」(40.1%、「A」+「どちらかというとAに近い」の%、以下同)と、自分で決定する学生のほうが多い結果となった。次に、問題解決にあたっては、「B:困ったことがあると、自分で解決する」(58.2%)>「A:困ったことがあると、保護者が助けてくれる」(41.8%)と、意思決定とほぼ同様の比率で自分で解決するほうを選ぶ結果となった。

  これに対して、金銭面では、AとBの回答比率が逆転し、「A:お金が必要になったら、保護者が援助してくれる」(58.8%)>「B:お金が必要になったら、アルバイトなどをして自分で準備する」(41.2%)となった。このうち、「A:お金が必要になったら、保護者が援助してくれる」で「A」を選んでいる学生は13.9%で、3つの設問のなかで「A」の回答の比率が最も高くなった。全体としては、どちらかというと自分自身で意思決定し問題解決するが、金銭面では保護者に頼る傾向がみられた。ただし、その割合は6割程度にとどまることが示された。
図5−1−3 保護者との関係(全体)
 こうした結果については、特に性別による差異がみられ、女子のほうが男子よりも保護者の支援を受けている状況が明らかになった(図5-1-4)。Aに該当する比率(「A」+「どちらかというとAに近い」の%)は、「A:保護者のアドバイスや意見に従うことが多い」(「女子」46.7%>「男子」35.6%、11.1ポイント差、以下同)、「A:困ったことがあると、保護者が助けてくれる」(48.3%>37.5%、10.8ポイント差)、「A:お金が必要になったら、保護者が援助してくれる」(61.7%>56.9%、4.8ポイント差)となった。金銭面では差異は小さいものの、それ以外では10ポイントを超える差となった。

 また、学部系統別では、「保健その他」で保護者からの支援を受ける比率がやや高く、「農水産」でやや低い結果となった。全体と比べて5ポイント以上差のついた項目は、「A:保護者のアドバイスや意見に従うことが多い」(「保健その他」48.4%>「全体」40.1%>「農水産」32.8%)、「A:困ったことがあると、保護者が助けてくれる」(「全体」41.8%>「農水産」34.4%)、「A:お金が必要になったら、保護者が援助してくれる」(「保健その他」68.5%>「全体」58.8%)であった(巻末の基礎集計表参照)。

 しかし、この結果に関しては、学年の違いによってほとんど目立った違いはみられなかった。このことは、学年の進行にともなって保護者との関係に変化が生じる可能性が低いことを意味していると考えられる。もちろんどの学年でも、4割程度が「A:保護者のアドバイスや意見に従うことが多い」「A:困ったことがあると、保護者が助けてくれる」と回答した結果から、現代の大学生が保護者への依存心が強く「大学生」として自立性に欠けると結論づけるのは早計であるものの、少なくとも大学生の親子関係が密接である様子はうかがえる。
図5−1−4 保護者との関係(性別)
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