第4回学習基本調査・中学生版
   PAGE 17/22 前ページ 次ページ

5.社会観・価値観

約8割の中学生が、勉強の効用を「社会で役に立つ人になるために」と回答している。小学生の回答率と比較すると、学歴主義的な社会観をより強く持っていることがわかる。しかし、「お金持ちになるために」という「経済的な成功」の手段として勉強をとらえる比率は他の項目よりも低く(49.3%)、これは小学生と同様の傾向である。成績の自己評価別にみてみると、上位層のほうが下位層よりも全体として勉強の効用を高く認める傾向がある。
中学生にとって、幸福をもたらす要因は、小学生同様に「いい友だち」である(92.5%)。時間選好に関する質問では、全体としては、「将来優先」「現在優先」において差異はないものの、成績の自己評価別では、上位層ほど、「将来優先」と回答する比率が高くなっている。


Q.●学校の勉強は、次のことにどのくらい役立つと思いますか。
  ●あなたは、次の意見をどう思いますか。
  ●あなたの考え方は、次のどちらに近いですか。

図2-2-11 勉強の効用(全体・性別)

《学校の勉強の効用》

 ここでは、まず、学校の勉強の効用についてたずねている。「役に立つ」(「とても役に立つ」+「まあ役に立つ」、以下同)の比率の高い順に整理すると図2-2-11のようになる。


 まず、「社会で役に立つ人になるために」81.4%という回答率からは、勉強の効用を自分自身だけに結びつけるのではない志向を多くの中学生が持っていることがうかがえる。次に、7割台を示した「一流の会社に入るために」や「会社や役所に入ってえらくなる(出世する)ために」の回答からは、「職業的な成功や地位の達成」の手段として勉強の効用をとらえていることがわかる。小学生では「出世」を効用とする比率が他の項目と比較すると低くなっていた点(69.7%、8項目中2番目に少ない比率である)をふまえると、高校入試という、より現実的な目標が設定される中学校段階において学歴主義的な社会観が強まるといえる。逆に、内面の充足や実用的な側面に目が向いていた小学生と異なり、「心にゆとりがある幸せな生活をするために」「尊敬される人になるために」「よいお父さん、お母さんになるために」「趣味やスポーツなどで楽しく生活するために」は6割から7割となっている。「お金持ちになるために」(49.3%)という「経済的な成功」の手段としては勉強の有用性をとらえない傾向は、小学生(47.8%)と同様である。性別にみて男子のほうの比率が高い項目は「お金持ちになるために」(男子54.0%>女子44.6%、以下同)、「心にゆとりがある幸せな生活をするために」(73.2%>67.2%)、「趣味やスポーツなどで楽しく生活するために」(65.5%>55.9%)の3項目である。


※『第4回学習基本調査・国内調査報告書・小学生版』参照。

    PAGE 17/22 前ページ 次ページ
目次へもどる  調査・研究データ