授業と家庭学習のリンクが子どもの学力を伸ばす -学力向上のための基本調査2008より

    PAGE 35/55 前ページ 次ページ

第2章 授業改善と結びつけた家庭学習充実の取り組み構造モデルの提唱

2-4 教師による家庭学習充実と授業との連動の取り組み状況


ベネッセ教育研究開発センター 小林洋

はじめに

今回の教師に対する調査の項目は、家庭学習・宿題の指導状況の実態に関わる項目や、取り組みの成果と課題認識など教師の意識に関わる項目など多岐にわたっている。本節では、本章第1節の「授業改善と結びつけた家庭学習充実の教師の取り組み」の構造モデル(以下、「構造モデル」と称する)に示している「家庭学習指導力」「家庭学習と授業との連動」の項目に重点を置き、教師による家庭学習の充実という視点からの学力向上の取り組みの現状を報告する。

1.家庭学習の充実に関わる教師の取り組み状況

図表2-4-1は、家庭学習充実の取り組み(「家庭学習指導力」の発揮)に関する項目に対する教師の回答状況を示すものである。この項目は、本章第1節の「構造モデル」の「E.家庭学習指導力(Enrich)」に該当しており、「学力向上のための基本調査2004」で提唱した一般的な「教師の指導力」(FAN)モデルの枠組みを踏まえた項目となっている(「FAN」とは、Foundation:「授業の土台づくり」、Approach:「学習指導の方法」、Navigation「:学習の方向づけ」の頭文字をとったものである(詳細は「学力向上のための基本調査2004」参照)。また、今回の調査における「教師の指導力」発揮状況を示す回答結果は、図表2-4-5を参照。この項目は、図表2-4-1に示すように、次の6つのカテゴリーに分け、それぞれに代表的な4つの具体的な項目を設定している。

E−1.家庭学習の習慣化促進
E−2.自作教材やノート活用の工夫
E−3.プロジェクト的課題の導入
E−4.基礎的指導の充実
E−5.家庭学習のガイダンス
E−6.家庭学習の点検・評価と指導

▼画像をクリックすると拡大画像がご覧になれます

図表2-4-1:教師の「家庭学習指導力」発揮の状況
図表2-4-1:教師の「家庭学習指導力」発揮の状況

注) 「ここ3年間において、あなたが子どもたちの家庭学習の充実に向けて取り組んでいることとして、次のようなことはどの程度あてはまりますか?」の設問に対する回答状況を示す。「設問のカテゴリー」欄に示した記号や番号は、第2章1節の「授業改善と結びつけた家庭学習充実の取り組みの構造モデル」内の項目との対応を示す。なお、上記の項目は、これらの項目のすべてが実践されていることが望ましいという前提に立ったものではなく、取り組みの実態を調べ、総合学力等との関係を調べるためのものである。このことは他の調査項目についても同様である。

     PAGE 35/55 前ページ 次ページ
目次へもどる 調査・研究データ