授業と家庭学習のリンクが子どもの学力を伸ばす -学力向上のための基本調査2008より

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第3章 「教師の指導力」「家庭の教育力」「学校の経営力」と子どもの総合学力との関係
       −基本仮説の検証

3-2 保護者の家庭学習支援力と子どもの総合学力との関係


ベネッセ教育研究開発センター 小林洋

はじめに

本章第1節では、教師の家庭学習指導力や家庭学習と授業との連動力と子どもの家庭学習力や教科学力との関係を検証した。本節では、ほぼ同様な手法と手順に従って、「保護者の家庭学習支援力が高いほど、その保護者の子どもの家庭学習力や教科学力は高い」という今回の「調査の作業仮説2」を検証するとともに、学年段階による有効な働きかけの違いを探り、保護者への子どもに対する働きかけの具体的な指針を提供することを目指したい。

1.保護者の家庭学習支援力と教科学力および家庭学習力との関係

【1】家庭学習支援の多くの項目で、保護者の働きかけの高いほうが、
  子どもの教科学力と家庭学習力も高い

図表3-2-1は、保護者の家庭学習支援力の各項目と子どもの教科学力(国語・算数/数学の平均正答率)ならびに家庭学習力との関係を示したものである。保護者を家庭学習支援力を問う各設問に対して、「あてはまる」「まああてはまる」と回答した肯定群と、「あまりあてはまらない」「まったくあてはまらない」と回答者した否定群の2群に分け、それぞれに属する子どもの2教科平均正答率と家庭学習力平均スコアを対比しその差異を示している。「検定」欄の記号は、その差異が統計的にどの程度有意であるかを示し、「**」「*」は、それぞれ1%未満と5%未満の危険水準で有意であることを示している(以下の図表についても同様)。網掛けは、とくに教科学力と家庭学習力ともに1%の危険水準で統計的に有意な差があるものを表している。この図表から、小5生・中2生ついてともに、多くの項目で保護者の働きかけの高いほうが、子どもの教科学力と家庭学習力いずれにも有位に高いことが認められる(25項目中、小5生16項目、中2生17項目)。また、網掛けした項目のうち、半数以上が小5生・中2生で共通しているが、どちらか一方のみに網掛けが入っているものもある。例えば、「授業の復習をきちんとさせている(問5−2)」「学校の宿題は、期日までに必ずやり終えるようにさせている(問5−3)」「テストには、計画的に準備してのぞむようにさせている(問5−4)」「できるだけ栄養のバランスのよい食事をとらせるようにしている(問5−6)」等の14項目が小5生・中2生に共通して教科学力と家庭学習力ともに差が大きいものとなっている。また、小5生のみに網掛けが入るものが「家でする勉強も頑張るように応援している(問5−10)」「いろいろな誘惑に負けないで勉強するようにアドバイスしている(問5−16)」等の3項目、他方中2生のみに網掛けが入るものが「授業の予習をきちんとさせている(問5−1)」「勉強でわからないときや困ったときには相談に乗っている(問5−11)」等の3項目となっている。これらは、学年段階による保護者の働きかけの子どもへの影響の違いを表していると考えられる。

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図表3-2-1:保護者の家庭学習支援力と子どもの教科学力・家庭学習力との関係
図表3-2-1:保護者の家庭学習支援力と子どもの教科学力・家庭学習力との関係

注) 家庭学習支援力を問う各設問に対して、「あてはまる」「まああてはまる」と回答した肯定群と、「あまりあてはまらない」「まったくあてはまらない」と回答した否定群の2群に保護者を分け、それぞれに属する子どもの教科学力(2教科平均正答率)と家庭学習力総合スコア(偏差値)を対比しその差異を示している。網掛けは、教科学力、家庭学習力ともに両群の差が危険水準1%未満の統計的な有意なものを表している。なお、設問のカテゴリーとA〜Dの表示の順番は当初の概念モデルに沿ったものを示している。

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