授業と家庭学習のリンクが子どもの学力を伸ばす -学力向上のための基本調査2008より

    PAGE 27/50 前ページ 次ページ

第4章 家庭学習充実と授業改善を結びつけた取り組み−実践編

4-3 学習意欲を高め家庭学習の充実につなげた多面的な取り組み



栃木県栃木市立皆川中学校校長 石嶋和夫

はじめに

写真本地区は、栃木市街の北西に位置し、北・西・南の三方を山に囲まれた静かな田園地帯である。地区内には、11世紀半ばに創建されたと伝えられる神社があり、また、室町期後半から戦国期にかけて本地区を支配した皆川氏が、15世紀前半に築城したと伝えられる典型的な中世の山城「皆川城址」がある。さらに、皆川氏ゆかりの寺院も現存するなど、中世以来の歴史を誇る山間の農村地帯である。

 近年、高齢化と少子化が深刻化してきているが、地区内の宅地化や工業団地の分譲は、思うようには進んでいない。そのため、地域の活性化を目指した「まちおこし」や「街づくり」の活動が、粘り強く進められており、郷土を愛し、郷土に生きる人材の育成という観点からも学校教育に対する期待が大きい。特に本地区は、小学校が1校、中学校が1校であるため、様々な形で地域との連携が学校に求められている。

本校は、全校生徒128人で、各学年40人前後の小規模校である。栃木県は、学級編成を35人学級としているため、各学年とも20人前後の2クラスとなっており、通常の授業において既に少人数指導が行われている状況である。そのため、少人数であることを生かした指導を工夫し、実践している。

小規模校であり、少人数であるということは、教職員だけでなく生徒たちも一人で何役も担当しなければならない。しかも、委員会活動や係活動、清掃分担など、担当が二人前後の場合が少なくない。そのため、学級生活や学校生活が円滑に営めるよう、一人ひとりがきちんと自己の責任を果たすことやリーダーとしての役割を担うことが求められる。そこで、学校行事や生徒会活動等を通してリーダーシップとフォロアーシップの育成を図っている。

また、前述したように中学校区の小学校が1校であるため、生徒は9年間一緒であり、生徒間の人間関係が親密である。しかし、その分、一旦人間関係が崩れると、修復が難しく不登校に陥るおそれがある。さらに、生徒間における各自の位置付けが明確化、固定化しやすいので、発言力のある生徒は、どんどん自己主張するが、おとなしく控え目な生徒は、ますます引っ込み思案になりがちである。

そこで、本校が平成17・18・19年度の3年間、文科省研究開発校として「国際社会に貢献することのできる児童生徒の育成を目的とした、9年間を見通した小中一貫教育の教育課程の編成の在り方について」の研究実践を進めた際には、コミュニケーション能力の育成と人間関係づくりをねらいの一つとした。今年度からは、市教育委員会の指定を受け、小中一貫教育研究の第2ステージとして研究を継続している。これまでの研究の成果・課題を踏まえ、コミュニケーション能力の育成と人間関係づくりとの関連を考慮し、新学習指導要領で示された「指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項」の一つである「言語活動の充実」に重点を置いて研究を進めている。

さらに、栃木市が平成16・17・18年度の3年間、文科省の『キャリア教育推進地域指定事業』の指定を受けた際に、本校と本学区の小学校も研究協力校としてキャリア教育の研究推進に努めた。その研究では、4領域8能力の育成を目指して「学級活動における進路指導を充実させること」と「総合的な学習の時間と進路指導との関連を図ること」に重点を置いて研究を進めた。

     PAGE 27/50 前ページ 次ページ
目次へもどる 調査・研究データ