中学校の学習指導に関する実態調査報告書2009―「学校外教育活動に関する調査」から

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1.学習指導や学校での取り組み (主幹教諭・教務主任調査)

【解説】調査結果から読み取れること
教育創造研究センター所長  高階玲治

1.新教育課程移行期における主幹教諭・教務主任の役割

新教育課程への移行1年目を迎えて各学校は新たな教育計画に取り組んでいるであろう。その中心的な役割を担うのが主幹教諭や教務主任である。すでに文科省から移行期間における教育課程編成の移行モデルが示されているが、各学校の実態はどうであろうか。

本調査は、特に教育課程実施の中心的な役割を担う主幹教諭や教務主任の職務を通して学校の実態を明らかにする意図で行われた。5年目の調査であるが、今回は新たな調査項目をかなり加えていることで、これからの学校教育のあり方を含めた考察を行いたい。

2.学校の取り組み状況について

最初に学校の取り組み状況についての調査結果を示す。「今年度の全校的な取り組みとして、次のようなことを行っているか」という調査である。なお数値は「行っている」と「行う予定」の合計である。

今回の調査で高い傾向を示したのは、「家庭学習の指導」の96.4%(昨年94.5%)と、「生活習慣の指導」の95.1%(同95.7%)であった。全国学力調査の結果が示すように、学力と生徒のテレビ視聴、夜更かし、家庭学習などの生活状況との間に強い相関がみられることが判明している。そうした認識が学校に浸透してきた結果であろう。

次に、実施状況が90%程度と高いものに「保護者や地域住民による学校評価」93.6%がある。学校の自己評価とともに地域住民による学校関係者評価の実施と公開が義務づけられたが、その動きもあって高い実施率である。なお、2006 年の調査では84.0%であった。

さらに実施率の高かったものに、今回初めてたずねた「食育」85.9%と「小・中学校の連携」82.2%がある。前者は健康志向や安心・安全、後者は子どもの成長課題としての確かな学力形成や生活規律等の育成が主であって、今後の重要な教育課題である。

なお、前年度よりやや低下しているものがみられる。「放課後の補習授業」49.7%(昨年56.1%)、「市販の標準学力検査」69.3%(同72.3%)、「定期テストの回数や日数の削減」11.8%(同18.3%)、「学校行事の削減」30.2%(同32.9%)、「保護者や地域住民による授業支援」71.2%(同72.8%)である。「二学期制・二期制」も23.6%(同24.1%)である。二学期制は授業時数増を目論んで実施されたという経緯があるが、頭打ち傾向なのではないか。

また、同じ実施率低下として注目されるのが「習熟度別授業」である。この授業形態は一定の効果があるとされているが、今回は53.9%であった。昨年は57.0%であるが、2006 年は62.0%で、それ以来年々微減しているのである。

一方、昨年よりも実施率が高くなったものがある。「学校選択制」26.7%(同16.4%)と「長期休業期間の短縮」22.4%(17.5%)である。前者は2005年以来実施率がほとんど変わらないでいたものである。今回、10 ポイント以上の増加はどのような背景があるのであろうか。後者は2007 年から20%前後の実施率である。今後増加傾向がみられるのであろうか。

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