放課後の生活時間調査

    PAGE 1/7 次ページ

第1部 学年別や性別にみる生活時間と意識

第3章 生活時間の実態と意識にみる「中1ギャップ」


野澤 亜伊子(ベネッセ教育研究開発センター研究員)

<要旨>
本章では、中1生が新しい環境や人間関係になじめないで直面する「中1ギャップ」について、小6生と中1生の生活時間の実態と意識から分析を試みる。その結果、中1生になると、部活動の時間によって勉強、メディア、睡眠時間が後ろ倒しになることが明らかになった。一方で、睡眠時間や勉強時間を増やしたいと思う中1生も多いという課題もみえた。

1.はじめに

中学校に入学して新しい生活を満喫する子どもがいる一方で、学校生活になじめず欠席しがちになったり不登校になったりする子どもがいる。平成19年度に文部科学省の行った「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」によれば、友人関係の問題や学業の不振などによって年間30日以上学校を欠席したとの報告件数は、小学校6年生で8,145件であるのに対し、中学校1年生では25,120件になる。

中1生が人間関係や勉強の壁にぶつかって環境になじめないようすは、いわゆる「中1ギャップ」として近年注目を浴びてきた。「中1ギャップ」の原因としては、学級担任制から教科担任制への移行にともなう学習面でのつまずき、部活動が始まることによる生活リズムの変化、心身ともに著しく成長する子ども自身のとまどい、違う学校から集まってきた子どもと友だちになるための社会的スキルの欠如などが指摘されている。

中1生がさまざまな場面で直面する「ギャップ」について、この章では生活時間という観点から描写し、課題を明らかにしたい。

     PAGE 1/7 次ページ
目次へもどる 調査・研究データ