放課後の生活時間調査

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第3部 時間の使い方の違いにみる意識や文化の差

第1章 時間の使い方が上手な子どもと下手な子ども


都筑 学(中央大学教授)

<要旨>
日ごろの時間の使い方の自己評価には、時間の使い方の上手・下手が表れる。調査データからは、日常生活を規則正しく計画的に過ごす子どもは、時間を自ら区切っていくことができる上手な時間の使い手であることがわかった。他方、時間の使い方の下手な子どもは、ぼーっとしていたり、ゲームやテレビ視聴をしたりして、何となく日常をすごすことが多いことがわかった。

1.時間の使い方の自己評価

1日は24時間、1年は12か月。時間というものは、誰に対しても平等に与えられている。この時間をどのように使っているのか。発達段階によって、それぞれ特徴がある。小・中・高校生においては、学習が主要な活動であり、学校ですごす時間が一番大きな部分を占めている。

この点は小・中・高校生に共通している一方で、残りの時間をどのようにすごすかは、人によってさまざまである。「塾や家で勉強する」「テレビを見る」「友人といっしょに遊ぶ」など、どのように時間を使うかは自由であり、そこには一人ひとりの子どもの独自性が現れてくる。

それは、1日24時間という制約の中で、どのように時間をやりくりしていくかということでもある。たとえば、勉強の時間を増やせば、遊びの時間が減る。その逆に、遊びの時間が増えれば、勉強の時間が減っていく。

小・中・高校生は、それぞれ工夫をしながら、1日の生活時間を組み立てているのであろう。まずは、このような時間の使い方について、子どもたちは一体どのように評価しているかをみてみることにしよう。

「あなたの日ごろの時間の使い方は、100点満点で、だいたい何点くらいだと思いますか」という設問に対する回答の結果が、図1−1に示されている。

平均点は、小学生68.5点、中学生58.2点、高校生54.1点であり、学校段階が上がるほど、時間の使い方の自己評価が低下していた。中学生や高校生は小学生と比較して、得点分布が低いほうに偏っていた。中・高校生になると、1日の生活における活動内容が多様化し、時間の使い方が変化してくるために、その結果として自己評価が低くなってしまうのかもしれない。

図1-1:時間の使い方の点数(自己評価)(学校段階別)

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