第１回子ども生活実態基本調査報告書 - ベネッセ教育総合研究所

8.　部活動・アルバイト

中学生も高校生も、週の大半、1回2時間～2時間半程度と、かなり熱心に部活動を行っている。また、高校生の8割がアルバイト未経験者で、多くはなかった。しかし、大都市では気軽にアルバイトを経験する傾向がある。

部活動は1日2時間、週4～5日

　中学生の85.6％、高校生の76.9％が、「運動部に入っている」＋「文化部に入っている」と答えており、多くの中・高生は、現在部活動に参加している。「運動部に入っていたがやめた」「文化部に入っていたがやめた」場合を加えると、中学生で94.4％、高校生で89.3％が部活動を経験している。また、全体的に文化部よりも運動部に参加している生徒が多い（基礎集計表参照）。
　中学生と高校生のそれぞれについて、性別に部活動への参加状況をみたのが図1-1-14である。中学生に比べて高校生のほうが、「部活動に入ったことはない」が増加しており、部活動から離れる層が少し増えるようだ。また、中・高生とも、男子のほうが女子に比べて、文化部ではなく運動部に参加している割合が高い。
　さらに部活動に入っている場合、または入っていたがやめた場合の活動の日数と時間をみたのが、表1-1-18である。中学生の平均活動日数は、文化部で4.3日、運動部で5.2日となっており、1週間の半分以上を部活動に費やしている。高校生になると、文化部と運動部の差がさらに開く。また1回あたりの活動時間では、運動部のほうが長いと答える者が多いものの、全体的に1回あたりの時間は「2時間くらい」から「2時間30分くらい」で、ある程度まとまった時間で活動している。中・高生は、放課後の多くの時間を部活動に費やしていると言える。

■図1-1-14　部活動への参加（中・高生、性別）

■表1-1-18　部活動参加者の活動時間（中・高生、運動部・文化部別）

アルバイト経験は少数派

　高校生には、アルバイト経験を聞いている。全体でみると「現在、している」が5.3％、「したことはあるが、現在はしていない」が10.4％と経験者は少数派で、「したことがない」が79.1％と多数派であった（基礎集計表参照）。しかし、「現在、している」場合は、平均月10.5日、つまり週2～3日と熱心に働いている様子がうかがえる（図表省略）。
　さらに属性ごとに細かくみたのが図1-1-15である。高1生より高2生のほうが、「現在、している」も「したことはあるが、現在はしていない」も増え、アルバイトを経験する機会が増えている。
　高校偏差値層別では、進学校、中堅校、進路多様校の順でアルバイトを経験した生徒の割合が増えている。このような差は、本人の希望の他に、学校がアルバイトを許可しているか否かにも関係しているのかもしれない。

■図1-1-15　高校生のアルバイト経験（学年別、高校偏差値層別、地域別）

大都市では気楽にアルバイト

　興味深いのは、アルバイト経験の地域による差である。図1-1-15にあるように、中都市、郡部に比べて大都市の高校生たちの「現在、している」の割合が突出している。しかし、「現在、している」と答えた場合の1か月に働いている日数では、大都市＜中都市＜郡部の順に多くなる（図1-1-16）。つまり、大都市では多くの高校生が気楽にアルバイトを経験しているのに対し、都市規模が小さくなるほど、アルバイト経験者は減るが、アルバイトをしている生徒はかなり熱心に働いているようである。アルバイトの種類は聞いていないが、都市のほうが気軽にできるアルバイトが多いということだろうか。

■図1-1-16　高校生の１か月のアルバイト日数（地域別）

注）アルバイトを「現在、している」と回答した者のみ

8. 部活動・アルバイト

部活動は1日2時間、週4～5日

アルバイト経験は少数派

大都市では気楽にアルバイト

8.　部活動・アルバイト