第2回子ども生活実態基本調査報告書
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就職への重圧が大きくなると「なりたい職業」を持ちづらくなる?

 減少幅の大きかった高校生を、さらに高校偏差値層別・男女別でみたものが表4-2-3である。

■表4-2-3 なりたい職業の有無(高校生、高校偏差値層別・性別、経年比較)
表4-2-3 なりたい職業の有無(高校生、高校偏差値層別・性別、経年比較)

 2004年から減少の割合がもっとも大きいのは進路多様校の男子で、23.9ポイントもの減少(63.1%→39.2%)となっている。
 女子に注目してみると、進学校では18.5ポイント減(72.3%→53.8%)、中堅校では6.7ポイント減(73.4%→66.7%)、進路多様校では19.7ポイント減(74.6%→54.9%)となっており、進学校と進路多様校の減少が大きくなっている。
 また、中堅校と進路多様校においては、女子よりも男子のほうが「なりたい職業」が「ある」の割合が減少しているのであるが、進学校においては、男子15.2ポイント減(59.8%→44.6%)、女子18.5ポイント減(72.3%→53.8%)と女子の減少幅のほうが大きくなっている。


 ここ最近は、急激な景気悪化による若年者の就職難、とりわけ高卒労働市場のさらなる不安定化が深刻になっている。こうした社会経済状況によって、若者の職業選択の幅が縮小されてきている。小・中学生は就職をまだ先のこととしてとらえることができるが、高校生、とくに進路多様校の生徒にとって、就職は目の前の問題である。こうした状況のもとで、就職を現実のものとして考えている生徒ほど、具体的な「なりたい職業」を持ちづらくなっている可能性も考えられる。
 また女子にとっては、依然として就職には不利な状況が続いている昨今の状況を考えると、進学校のキャリアに対する意識の高い女子や、就職が目前にせまっている進路多様校の女子にとっても同様のことがいえるだろう。

「なりたい職業」の有無と進学希望の関係

 さらに高校生に注目し、「なりたい職業」の有無による希望する進学段階の違いをみてみよう(表4-2-4)。
■表4-2-4 なりたい職業の有無別にみた希望する進学段階(高校生、経年比較)
表4-2-4 なりたい職業の有無別にみた希望する進学段階(高校生、経年比較)
 なりたい職業が「ない」と回答している高校生が希望している進学段階に注目すると、2009年で6割以上が「大学(四年制)まで」を希望しており、2004年から3.0ポイント増加している(59.6%→62.6%)。大学進学率が上昇し、大学へ行くことが珍しくなくなった社会に生きる高校生たちにとって、大学生活は将来を考える時間となっているのかもしれない。
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