第2回子ども生活実態基本調査報告書
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5. 将来の職業について(3)

 全体的に、中・高校生ともに大きな変化はみられない。「安定していて長く続けられる」「自分の好きなことがいかせる」ことを重視しており、職業選択における安定志向、好きなこと志向が継続している。一方、「独立して自分だけでできる」を重視している割合は2004年同様、7項目中でもっとも低く、2009年ではさらに減少傾向にある。最近の不況や不安定な労働市場の状況を反映し、子どもたちの職業に対する安定志向の強まりや独立志向の低下といった動きがみられる。

職業選択における安定志向が継続

 この5年間で、子どもたちが職業を選択する際に重視するポイントに変化はあったのだろうか。2009年では2004年と同じく、職業を選択する際に重視することを7項目あげて、回答を求めている。学校段階別に経年比較をした結果を図4-2-10に示した。
■図4-2-10 職業を選択する際に重視すること(中・高校生、経年比較)
図4-2-10 職業を選択する際に重視すること(中・高校生、経年比較)
 全体的に、中・高校生ともに大きな変化はみられない。「安定していて長く続けられる」「自分の好きなことがいかせる」ことを重視している割合が、2004年と同じく9割以上となっており、職業選択における安定志向、好きなこと志向が継続している。加えて「大きな会社である」ことを重視する割合が、中学生で5.3ポイント(2004年47.2%→2009年52.5%、以下同)、高校生で9.0ポイント(41.4%→50.4%)増加しており、中・高校生とも大きな企業で安定した職業に就くことを希望している。
 一方、「独立して自分だけでできる」を重視している割合は2004年同様、7項目中でもっとも低く、2009年ではさらに微減傾向にある。最近の不況や不安定な労働市場の状況を反映してか、子どもたちの職業に対する安定志向の強まりや独立志向の低下といった動きがみられる。

女子の大企業志向が増加

 職業を選択する際に重視することについて、学校段階別、性別で経年比較を行った結果を図4-2-11と図4-2-12に示した。

■図4-2-11 職業を選択する際に重視すること
(中学生、性別、経年比較)

■図4-2-12 職業を選択する際に重視すること
(高校生、性別、経年比較)
図4-2-11 職業を選択する際に重視すること
図4-2-12 職業を選択する際に重視すること

 まず、この5年間の変化に注目すると、中・高校生の男女とも「大きな会社である」ことを重視するようになっている。とくに女子においてその傾向が強くみられ、中学生女子で7.2ポイント増(42.2%→49.4%:「とても大切」+「まあ大切」の合計、以下同)、高校生女子で8.7ポイント増(38.6%→47.3%)となっている。一方、「独立して自分だけでできる」を重視している割合は、女子で低下が大きくなっている。とりわけ中学生女子で5.7ポイント減(35.4%→29.7%)となっている。
 次に性別に注目してみると、中・高校生とも、男女で大きな差はみられず、「安定していて長く続けられる」「自分の好きなことがいかせる」が高い割合となっている。
 しかし、「とても大切」と「まあ大切」を分けて細かくみていくと、職業選択に際して「収入が多い」ことを「とても大切」と回答している割合は、2009年を例にすると、男子が40.1%、女子が28.9%でその差は11.2ポイントとなっている。同様に「大きな会社である」ことを「とても大切」と回答している割合は男子で19.3%、女子で11.7%(いずれも2009年)となっており、 7.6ポイントの差となっている。男子においては、収入や大企業といった経済的安定志向が女子よりも強くなっており、将来の家庭の経済的側面を担うという一般的な性役割の構図を反映しているものと考えられる。

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