「データで考える子どもの世界」

第3回子育て生活基本調査(幼児版)

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第1部 全体の調査結果/第1章 子どもとのかかわり

第1節 家庭でのしつけや教育方針

しっかりしつけたいという「しつけ重視」の態度が強まっている。専業主婦の母親は基本的な生活習慣の確立を、パートやフリーの母親は子どもの自立を、常勤の母親は温かい家庭の形成を、それぞれ重視している。

◆生活リズムの形成とゲーム遊びの規制が重要

家庭でのしつけや教育方針についてたずねた。「あなたのご家庭ではお子様を育てていく上で、とくに心がけていることがありますか」と問い、家庭でのしつけや教育方針を示した19(「その他」を含む)の項目に、複数回答してもらった。このような調査は3回目であり、各回(1997年、2003年、2008年〔今回〕)の各項目に対する選択率と、97年調査から08年調査までの変化を、図1−1−1に示した。

まず、03年調査と08年調査の結果に基づき、5年間の変化をまとめてみよう。08年調査の選択率をみると、第1位が「基本的なあいさつやお礼ができるようにしつけている」(87.8%)、第2位が「一人でできることは、できるだけ自分でさせるようにしている」(73.8%)、第3位が「友だちと仲よくするように教えている」(73.5%)で、この順位は03年調査の結果と同じである。大切に思い、いつも心がけているしつけには変化がないといえよう。

次に、この間の変化を項目ごとにみると、「一人でできることは、できるだけ自分でさせるようにしている」以外はすべて高くなっている。この5年間に、家庭でのしつけに対する母親の意識は高まったものと思われる。もっとも増加の大きかった項目は「朝起きる時間や夜寝る時間など規則正しい生活リズムが身につくようにしつけている」(03年調査56.4%→08年調査70.7%、以下同)で14.3ポイント増加した。基本的な生活リズムをしつけることに、とくに注意が払われるようになったといえる。次に増加が大きかったのは「テレビゲームや携帯ゲーム機で遊ぶ時間は決めている」(18.8%→29.8%)で11.0ポイント増加した。児童期以降に大きな問題となるゲーム遊びについて、幼児期からしつけることの重要性が認識されるようになったものと思われる。

図1-1-1 家庭でのしつけや教育方針(経年比較)
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