１） 国語の正答状況

まず、国語の平均正答率をみてみよう（表A−1）。国語の平均正答率は57.4％であり、平均正答数は19問中10.9問であった。標準偏差は16.7である。

次に、問題群ごとの平均正答率をみると、基礎問題は平均正答率が72.6％、平均正答数は6.5問（9問中）であり、基礎問題の平均正答率は比較的高かった。一方、活用問題の平均正答率は43.7％、平均正答数は4.4問（10問中）であり、基礎問題に比べて活用問題の平均正答率は30ポイント程度低かった。また、標準偏差は、基礎問題20.8、活用問題18.6であり、基礎問題のばらつきのほうがわずかに大きい。

次に、問題別の正答率と無答率をみていこう（表A−2）。大問［1］の「文学的文章」と「言語事項」の問題では、他の問題に比べて正答率が高く、「熟語の書き取り2」を除くすべての問題で約7〜8割に達していた。また無答率は、選択肢問題の「文学的文章」で低く、すべての問題で1％を下回っていた。

大問［2］の「文学的文章」の問題では、正答率の高い問題と低い問題の差が大きかった。記述式の問題の中でも、物語の内容を理解し、登場人物の行動の理由をたずねる「内容理解1」と登場人物の行動の背景をたずねる「内容理解6」では正答率が高く、7割近かったが、その他の問題では、3割を下回っていた。また無答率は、選択肢の問題で低く、記述式の問題で高かった。

大問［3］の「グラフ・記事」の問題では「資料の読み取り1、2」の正答率が高く8割前後であった。一方、複数の資料を用いて説明する「3つの資料の読み取り、説明」では、正答率が9.7％と低く、無答率は20.5％と高かった。

全体的にみると、基礎問題に比べて活用問題の正答率が低い傾向があるが、問題別にみると、基礎問題は全体的に正答率が高く、活用問題は正答率の高い問題と低い問題に分かれていることがわかった。特に活用問題では、登場人物の行動の背景を説明する問題〔大問［2］（4）〕や複数の資料から情報を取り出し、説明する問題〔大問［3］（2）〕で正答率が低かった。また、全体として選択肢の問題では無答率が低く、記述式の問題では無答率が高い傾向があった。