第4回学習基本調査報告書
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 2.具体的な評価行為について 〜前回の調査報告書より〜

 絶対評価であるのか相対評価であるのかにかかわらず、最終的には「評定」あるいは「評語」によって指導要録や「通信簿」に評価結果を記載せねばならない(作成・発行が常態化している「通信簿」は、作成の法的根拠や義務はない)。教員たちの評価行為の実際は、たとえば、この「学習指導基本調査」の第1回〜第3回の調査結果によって確認することができる(詳しい数値は第1回〜第3回の『学習指導基本調査報告書』を参照)。

  評価期間中の期末テスト、単元末テスト、小テスト、宿題や提出物、授業中の態度などを評価材料として用い、それらの評価結果を総合して成績としている。その際、「観点別学習状況」の4観点を基本としつつ、同時に可能な限り主観的判断を排した客観的な評価を行うために、「ふだんから『学習の記録』を意識して記録などをとって」いたり、「テストの得点を観点別に集計」したり、「テスト以外の様々な評価基準もいったん点数化」するなどしている。また、説明責任を果たすために、多くの教員が「評価するときの具体的な規準や手順について、児童・生徒や保護者に話して」いる。こうした、評価をめぐる学校の現状は、「評価の点数化・細分化・日常化」といえるものである(2003『第3回学習指導基本調査報告書』 8章3節)。

  また、平成18年度に文部科学省の委託を受けて東京大学が行った「教員勤務実態調査(小・中学校)」によれば、残業時間・持ち帰り時間における業務内訳についての回答結果からは、約半年を通じて、「授業準備」とともに「成績処理」に多くの時間をあてている現状が明らかとなっている。

 3.通信簿の「学習の記録」に取り入れている形式

 通信簿の「学習の記録」に取り入れている形式についてみてみると(表7-1-1)、小学校、中学校ともに「観点別学習状況の評価」がもっとも多く9割以上を占める。小学校と中学校の相違点は、「教科ごとに2段階、3段階、5段階などの総合的な評定」を取り入れているのが小学校で51.9%に対して中学校では89.6%。

  また、「文章記述形式の評価」が小学校7割に対して中学校5割、「単元や具体的項目ごとの到達度評価」は小学校25.9%に対して中学校9.1%である。これらの結果から、小学校ではさまざまな評価方法を導入しているのに対し、中学校では「評定」と「観点別」の2つに集約される傾向を特徴として読み取ることができる。

  図表は省略するが、今回の調査結果を確認してみると、小学校では、「観点別」と「評定」の両方の形式を取り入れているのは全体の48.7%、「評定のみ」は3.2%、「観点別のみ」は42.2%となっている。他方、中学校では、両方の形式を取り入れているのは全体の87.5%であり、「評定のみ」は2.1%、「観点別のみ」は8.6%となっていた。
表7-1-1 通信簿作成の形式(小・中学校)
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