都立専門高校の生徒の学習と進路に関する調査

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第4部 高校卒業後の進路・将来展望
第1章 専門高校における職業的レリバンス意識と進路不安/4.分析

4.2 作業仮説2の検証:進路不安、職業的レリバンス意識、習得度の関連

次に、作業仮説2の検証を行う。

表3は、作業仮説2−1〜3を検証したものである。それによれば、次の3点がわかる。

第1に、校内成績が上・中の集団においては、「学校での勉強は将来つきたい仕事に関係している」という項目に「あてはまる」と回答した者ほど、「どんな仕事をしたいかよくわからない」という項目に「あてはまる」と回答した者が有意に少なくなっている。教育内容の習得度が中レベル以上の場合、学んだことが身についているからこそ、そこに職業的レリバンスが見出され、「どんな仕事をしたいかよくわからない」という事態に陥りにくくなると解釈できる。逆にいえば、職業的レリバンス意識が向上しても、そこに習得度が伴っていなければ、「どんな仕事をしたいかよくわからない」という進路不安を低減する効果は期待できないということである。以上から、作業仮説2−1は採択された。

第2に、いずれの校内成績の集団においても、「学校での勉強は将来つきたい仕事に関係している」という項目と「自分のやりたい仕事をしぼるのはまだ早いと思う」という項目の間には有意な関連はみられない。以上から、作業仮説2−2は棄却された。

第3に、校内成績が下の集団においては、「学校での勉強は将来つきたい仕事に関係している」という項目に「あてはまる」と回答した者ほど、「将来、社会でうまくやっていけるか不安だ」という項目に「あてはまる」と回答した者が有意に多くなっている。教育内容の習得度が低い場合、教育内容に意義は見出されてはいるがそれが実際には身についていないため、職業的レリバンス意識が高まると、「将来、社会でうまくやっていけるか不安だ」という進路不安が増大してしまうと解釈できる。一方、教育内容の習得度が中レベル以上であれば、職業的レリバンス意識の向上は「将来、社会でうまくやっていけるか不安だ」という進路不安と結びつかないということである。以上から、作業仮説2−3は採択された。

表3:「進路不安」×「職業的レリバンス意識」×「習得度」表3:「進路不安」×「職業的レリバンス意識」×「習得度」

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