特集 つながる幼小の「学び」 ―幼稚園・保育園から小学校、その接続を考える―

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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不慣れな45分授業、過度な子ども扱いが1年生の壁に

 幼稚園や保育園と小学校の違いを踏まえ、園児をスムーズに受け入れるためにも、小学校の先生方にぜひ知っておいていただきたいこともあります。
  本来、幼稚園や保育園から小学校に入学してきた子どもにとって、学校の授業はとても楽しいものなのです。ただし、きっちりと時間割で区切られて、机に向かったままの45分間の授業が連続する生活には、慣れるまでにある程度の時間がかかります。またその一方で、ときには内容がとても面白くなってきたのに45分経ったからと突然授業が終わり、物足りなさを感じることもあるでしょう。
  授業が巧みな先生は、子どもの集中力が持続するように、45分間の中に複数の活動を盛り込んでいるようです。特に1年生の間は、子どもの様子を見ながら、45分の授業枠をもっと柔軟に捉えてもよいのではないか、と私は思います。
  逆に、幼稚園と比べて、小学校での内容が子どもにとって易しすぎ、かえって子どものやる気を失わせているということもあります。
  例えば、幼稚園ではウサギの世話をしていたのに、小学校に入るとそれは高学年生の仕事になっていることが多い。この間まで自分がしていたことをさせてもらえないわけです。また、1年生の教室の掃除を高学年生が担当することもありますが、幼稚園でも、年長さんなら片付けなどはきちんとしていたんですね。確かに下手かもしれないけれど、決してできないわけではないんです。こうした“子ども扱い”にも子どもたちは戸惑ってしまいます。

図1
出典:「第3回幼児の生活アンケート」ベネッセ教育研究開発センター(調査概要は5ページ参照

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