第2部 学力調査を活用した実践事例 [事例1]石川県小松市立今江小学校
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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単元のつながりを明らかにし授業力向上を目指す

 調査結果の分析を生かした年間カリキュラムの作成や「振り返りカード」を使った取り組みは、教師の授業力の向上にもつながっている。特に、各単元のつながりを学年の枠を越えて検証、文書化し、各学年の年間カリキュラムを作成することで、見通しを持った指導がしやすくなったという。高島雅展校長が説明する。
  「ある単元を理解するためには、どの単元の知識が必要なのかを教師がわかっていれば、新たな単元に入る前にレディネステストで確認し、理解不足の子どもには補習を受けさせることもできます。更に、教師に責任感が芽生え、次の単元を意識した授業を心がけるようになる効果も期待できます」
  教師が単元のつながりを意識することで、「この勉強は、○年生のこんな勉強につながるよ」などと、この先に出てくる単元を示して発展的な学習にもつなぐことができる。そうした応用性の高い授業の実践が、今江小学校の目標の一つになっている。
  また、「振り返りカード」にあらかじめ記入しておくめあての吟味を通して、教師も毎時間の目標と評価の観点を意識した上で、授業を進められるようになった。更に、めあてに対する個々の児童の理解度を把握することで、わかりやすい授業ができたかどうかを確かめることができる。理解が十分深められずに終わった授業があれば、その後に予想されるつまずきに対して、早い段階で対応することができるようになったという。

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