データから見る教育 多忙化する教師の日常生活、それでも7割は「満足」

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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第4回 学習指導基本調査

多忙化する教師の日常生活
それでも7割は「満足」

年々遅くなる教師の退勤時刻

 図1は教師の退勤時刻を経年で比較したものである。これを見ると、98年調査、02年調査では最も多い回答が「6時ごろ」だったが、07年調査では「7時ごろ」になり、「7時ごろ」以降に退勤するという回答が半数を超えた。
  退勤の平均時刻を比較すると、98年から02年にかけては19分(6時10分→6時29分)、02年から07年にかけては24分(6時29分→6時53分)、退勤時刻が遅くなっている。
  教師の睡眠時間の平均が6時間を切っていること、家での余暇時間が短いこと(図2)などを見ても、多くの教師が余裕のない日常生活を送っている様子がうかがえる。
図1
図2
図3

「私生活とのバランス」に課題

 教師の6〜7割は、「子どもとの関係」「現在の職場」「保護者や地域との関係」について「満足している(とても+まあ)」と回答している。総合的に見ても、7割が教員生活に満足している(図4)。忙しいながらも、仕事にやりがいを感じている教師が多いことがわかる。
  しかし、「学習指導」の満足感は5割、「教員生活と私生活とのバランス」の満足感は4割台にとどまっている。文部科学省が教師の事務を軽減する施策を打ち出す動きもあるが、教師の健全な仕事環境をつくるためにも、学習指導面や多忙化解消に向けた行政の支援が今後ますます重要になってくる。

図5

 

調査概要◎ 調査主体:調査主体:ベネッセ教育研究開発センター
  【98年調査(第2回調査)】 調査対象:公立小学校の教員1,161人
調査地域:岩手・新潟・東京・岡山・福岡・熊本(6地域)
調査時期:1998年10〜11月
  【02年調査(第3回調査)】 調査対象:公立小学校の教員3,619人
調査地域:北海道・岩手・宮城・新潟・石川・群馬・東京・山梨・愛知・大阪・兵庫・岡山・福岡・熊本 (14地域)
調査時期:2002年9〜10月
  【07年調査(第4回調査)】 調査対象:全国の公立小学校の教員(学級担任のみ)1,872人
調査地域:全国
調査時期:2007年8〜9月
※98年調査、02年調査についても、経年比較の際は、学年担任をしている教員のみを抽出して分析した
関連データの詳細はこちらをご覧ください
※このページの調査データ等は、先生方や保護者の方々への資料として、是非ご活用ください

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