HOP! STEP! 小学校英語! 【実践事例】英語が苦手な先生にも勧めたい電子黒板を用いた児童を引きつける英語活動
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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「タスク」を設け電子黒板を効果的に活用

   京都市の指導計画には、英語を使って目的を達成する「タスク」と呼ばれる課題解決型の活動が少なくとも単元に一つは盛り込まれている。
 タスクとは、英語を用いて目的を達成させる活動を指す。京都市では、コミュニケーションを重視する英語活動にはタスクは欠かせないと考えている。

〈単元事例〉
●単元前半

 授業で扱う表現の練習をさせたり、会話のイメージを把握させる。
 タスクを組み入れ、授業前半に覚えた単語や会話表現を使って何かを作ったり、相互にコミュニケーションを図ったりする。例えば「I like blue」という単元では、1、2時間目にさまざまな食べ物や動物の名前を知り、好きな物、嫌いな物について伝えるための表現を学ぶ(次ページ参照)。
●単元後半
 3時間目には、子どもたちに「自分の好きな物リストを作る」というタスクが与えられる。そして、単元最後の4時間目は、好きな物リストを使って英語で自己紹介大会を行う。

 電子黒板は、単元の前半で、英語表現に慣れさせることや、子どもに視覚的な刺激を与え興味を喚起させることに使うが、後半のタスク活動では使わない。電子黒板の使い分けについて、藤村校長は次のように説明する。
 「電子黒板は、子どもの興味関心の喚起に大きな効果があるので、単元の導入に使うには適しています。一方、授業後半のタスク活動では子どもたちが自分で何かを作ったり話したりすることに重きが置かれるため、電子黒板は使いません。電子黒板ばかりを使っていると、一方向の学習となり、英語活動がコミュニケーションを重視したものとならない危険性があるからです。電子黒板は確かに便利ですが、メリット・デメリットを考えて使う必要があります
 また、同校では、ALTと一緒に行う授業では電子黒板を使わない。
 「電子黒板用ソフトは、『英語ノート』の全ページに対応しているため、それだけでも授業を進めることは出来ます。ただ、電子黒板はあくまでも、担任主導の授業を補完し、自然な表現を体感させる教材です。目の前にALTの先生がいて、それを体感出来るならば、あえて電子黒板を使うことはないと考えています」(藤村校長)
 英語を使ったコミュニケーションを楽しめるようになるために、更に、電子黒板を効果的に活用できる場面を検討していく予定だ。


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