つながる学校と家庭の学び
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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職場体験によって夢カードを書き直す子どもも

 09年6月の授業参観日には、保護者が講師として授業に参加した。この参観日には、全クラスでキャリア教育を実施。高学年の授業では、保育士をしている保護者や消防士をしている保護者が、自らの職業について話した。
 同校では、地域にも働き掛けてキャリア教育を進めており、この参観日に、地域の伝統産業の職人を講師として招いたクラスもあった。親子で職人の技を見学し、高学年の子どもは職人に指導を受けて、名産品のきりたんぽや伝統工芸である曲げわっぱを作った。
 この授業参観のねらいについて、宮野先生は次のように説明する。
 「子どもの夢の実現に向けた本校の取り組みを保護者に直接知ってもらうために、参観日の授業をキャリア教育にしました。併せて、地域とどのように連携しているかについても保護者の理解を得たいと考え、地域の職人を呼びました」
 毎年秋には、6年生が数人ずつのグループに分かれ、近隣の店舗や施設などで1日働く「職場体験学習」が行われる。
 職場体験後、夢カードに変化が現れることもあると宮野先生は言う。
 「職場体験では、夢カードに書いた職業に近い職場を体験出来る子どもと、出来ない子どもがいます。将来の夢に近い職場を体験した子どもの中には、想像と現実の違いに戸惑ったり、あきらめずに努力を続けたり、夢を変更する子どももいます。一方、将来の夢に直接はつながらない職場に行っても、その仕事に魅力を感じて、夢カードを書き直す子どももいます。いずれにしても、さまざまな体験によって、自分がどのように働きたいのかを考えることに意味があると思います」

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