HOP! STEP! 小学校英語! 【実践事例】クイズやゲームを工夫し子どもの主体的なコミュニケーション能力を育む
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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子どもにとって身近な素材をクイズやゲームに活用

 自発的なコミュニケーションを支援することに加え、子どもの主体性を更に育むために取り組んでいるのが、「英語ノート」に掲載されているクイズやゲームへのアレンジだ。
 5年生のLesson9の「ランチ・メニューを作ろう」を例に見てみよう。まず一つ目の工夫は、子どもにとって身近なものを用いて、活動を展開していることだ。例えば、授業の導入では校歌のメロディーを使ったチャンツによって、子どもを活気付ける。また、近所のスーパーのチラシに載っている生鮮食品がどこの国から輸入された物かをクイズとして出題する。更に、鈴鹿にはブラジル人が多いため、意識的にブラジルの話題を盛り込むなどの実践も行っている。
 二つ目の工夫としては、社会科で習った鈴鹿市と外国との交流や家庭科で習う食品の栄養素の種類など、他の教科の学習内容を意識的に盛り込むことである。他教科で習ったことを英語活動に加えることで、教科横断的な知識を形成していくのだ。
 三つ目は、その場に応じたゲームを行うと共に、勝敗が毎回変わるように工夫することだ。例えば、既に覚えた単語を確認するには「ビンゴゲーム」、新しい単語を練習するには「キーワードゲーム」というふうに、ゲームの特徴によって使い分けている(図2)。

図2:目的に応じたゲームの使い分け

 また、子ども同士が目の前に置いた食品サンプルを取り合う「キーワードゲーム」では、単に動作の早い子どもが勝つことがないよう、特定の栄養素のグループに属する食品を取った者の勝ちとするなどの気遣いをしている。
 クイズやゲームの実施には次のような効果があると宮崎先生は言う。
 「友だちと一緒にクイズやゲームをすることで、子どもは自然と、友だちの良いところを学んだり、前回よりも出来るようになった自分を感じたりします。そうすれば、次回はもっと話したい、学びたいと思うようになり、更に活動にも積極的になるのです」
 このような英語活動の成果は、日常生活にも現れているという。
 「自発的にあいさつをしたり、英語以外の授業でも積極的に発言したりする子どもが増えてきました。これからも英語活動を通して、子どもの主体的なコミュニケーション能力を育てていきたいと思います。理想は、『コミュニケーションを楽しむ10のポイント』の全項目を全員が実践出来るようにすることです」(鷹巣先生)


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