小学校英語活動 Vol.4 石川県金沢市
WEB版 VIEW21[小学版] 教育情報レポート 〜小学校英語活動〜
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●英語指導講師や英語インストラクターが中心になってプラン作り。
 課題は、転入生への対応

 金沢市の英語TTの授業では、英語指導講師や英語インストラクターが重要な役割を果たしているが、泉野小学校でも同様だ。授業プランも主としてアンドレ先生がつくり、担任はそれにアイデアを加えるという分担だ。今回の授業のうち、スペシャルクイズは担任の長谷川先生のアイデアだと聞き、子どもたちが大いにわいたのがうなずけた。子どもの興味・関心事に詳しい担任の先生の出番も随所にあることがわかる。

 副読本では、職業に関する単語は8つ紹介されていたが、授業で取り上げた単語は20。これは、アンドレ先生の「できるだけたくさんの言葉にふれてほしい」という考えから。ふだんも20語は紹介するという。もっとも、全部覚えなくてもよいことになっている。でも、ショートタイムなどでもくり返し取り上げていくうちに、次第に覚え、会話のなかで使えるようになってくるそうだ。

 また、基本構文を板書し、子どもたちに読みを促したが、5年生では、まだ十分に読んだり書いたりはできないし、その指導の難しさも感じているという。ただ、6年生になると、中1の教科書を学習し、文法事項も入ってくる。そこまでのつなぎとして、5年生の段階では、構文などを意識して板書に残すようにしているのだという。


  現在、泉野小学校で行われている文字指導は、テキスト等を見ながら、単語や短文を書き写す段階で終わっている。したがって、まだ、個人差は大きく開いてはいない。しかし、中学校からは「アルファベットの小文字まで、テキストを見ないで正確に書けるようにしてほしい」との要望が出されている。今後、そうした要望に応えるべく書く学習が進められると、もっと個人差が出てくるかもしれないと長谷川先生自身も心配はしているという。

 泉野小学校の課題として長谷川先生がとくに感じているのは、「金沢市以外からの転入生が多い」点だ。5〜6年生ともなると、話す力、書く力など、大きな差が出てきているという。授業中のサポートだけでは足りないので、ネイティブスピーカーが発声しているデジタル教材を使って、個別に英語教材にふれる時間を持つようにしているそうだ。

 なお、金沢市以外からの転入生への対応は、市全体としても課題の一つに掲げている。


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