BERD教育リポート メールマガジンバックナンバー

 「BERD教育情報通信」 バックナンバー 第6号(2005年11月24日発行)

※文中に記述された内容は当メールマガジン発行時のものです。

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■   ■   ◆BERD教育情報通信*第6号 2005/11/24発行◆
■   ■    ベネッセ教育研究開発センター メールマガジン
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■    ■ BERD=Benesse Educational Research & Development Center
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こんにちは。BERD教育情報通信第6号をお届けします。前々回、前回に引
き続き、特集「日本の義務教育のゆくえ」をメインにお送りします。すでに複
数のセミナーやシンポジウム等で講演もされている、文部科学省・初等中等教
育局の銭谷眞美局長のインタビューも交えてお伝えします。


■ INDEX ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥・
  【1】ベネッセ教育研究開発センターからの新着情報&お知らせ【news】
  【2】《特集》日本の義務教育のゆくえ;
    中央教育審議会 義務教育特別部会での審議報告から【report】
  【3】統計・調査データより「コレは何の数字でしょう?」【column】
  【*】編集後記
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  【1】ベネッセ教育研究開発センターからの新着情報&お知らせ
       http://benesse.jp/berd/
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★05年11月24日
  報告書『中学校の学習指導に関する実態調査2005』を掲載しました
  http://benesse.jp/berd/data/index.shtml#gakusyusidou2005

★05年11月21日
  本メールマガジンのバックナンバー第5号を掲載しました
  http://benesse.jp/berd/magazine/index.html#bn

★05年11月21日
  小さな子どもとメディア「最新!メディア研究ニュース」に 『メディア研
  究の今後の課題と展望』 を掲載しました
  http://benesse.jp/berd/media/medianews/index.shtml

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11月25日発刊!
ベネッセ教育研究開発センターのHPでもご覧いただけます
   http://benesse.jp/berd/data/index.shtml#gakusyusidou2005

  『中学校の学習指導に関する実態調査報告書 2005』
    〜ベネッセ教育研究開発センターの調査研究報告書より〜

中学校の教務主任・理科教員・社会教員を対象に、学習指導に関する実態
(理科調査・社会調査)および学校での取り組みを調査・分析

※ 無料
※ お申し込みは、郵便番号、住所、氏名、電話番号をご記入いただいたFAX
   を下記までお送りください
   FAX:×××-××××(ベネッセ教育研究開発センター教育調査室)
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  【2】《特集》日本の義務教育のゆくえ;
      中央教育審議会 義務教育特別部会での審議報告から
      第3回 未来に向けて、義務教育の方向性(後編)
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前回は、中央教育審議会・義務教育特別部会の審議経過をふまえて、小学英語
や総合的な学習の時間、学校教育の結果検証のあり方などについてレポートし
ました。今回は、文部科学省・初等中等教育局の銭谷眞美局長の話を通して、
中教審での議論をまとめ、義務教育改革の今後の展望を考えていきたいと思い
ます。

※ 文部科学省・中教審答申関連資料
・概要(パンフレット・PDF)↓
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/05102602.pdf

・答申本文(PDF)↓
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/05102601/all.pdf


◆===== 特集の構成 ============================================◆

  第1回(第4号:10月25日発行済み) 
       審議紛糾の背景〜財源論の視点
       http://benesse.jp/berd/magazine/backnumber/bm4_051025.shtml
  第2回(第5号:11月10日発行済み)
       未来に向けて、義務教育改革の方向性(前編)
       〜学校はどう変わる
       http://benesse.jp/berd/magazine/backnumber/bm5_051110.shtml
 ☆第3回(今回)
       未来に向けて、義務教育改革の方向性(後編)
       〜文部科学省 銭谷局長に聞く
  第4回(次号)
      【追加コンテンツ】未来に向けて、義務教育改革の方向性
       〜「全国学力調査」実施の意味(仮題)

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◇中教審・義務教育特別部会のポイント◇


8か月に及んだ今回の審議を終えて、その審議内容のポイントは何か?大きくは、
以下の3つのポイントにまとめられる模様です(コメントは文部科学省・初等中
等教育局の銭谷眞美局長)。


1)義務教育に関する理念が明確に
    義務教育とは何なのか、義務教育の根幹は何か、それに対する国・
    都道府県・市町村はどのような責任を持つのか、などが確認された
2)義務教育の構造改革を打ち出した
    国が基準を作って条件整備を行った上で、実際の学校教育の実施に
    ついては、公立小中学校の設置者である市町村や学校自体の裁量、
    つまり自由度を増やしていくことが提言された
3)義務教育費国庫負担制度のあり方
    誰が義務教育の費用を負担するのかを明確にした


3)についてはこれまでも触れてきたように、義務教育費を地方自治体の一般
財源にすることで、都道府県および市町村の教育予算の裁量が増えるのだから、
(義務教育費の一般財源化を)推進すべきではないか、との意見があります。
さらに、国(文部科学省)が引き続き予算をもつことで、構造改革が遅れるの
ではないか、との見方もあります。

これに関して、子どもたちを抱える一般家庭に今後どのような影響があると文
部科学省は考えているのでしょうか。

銭谷局長は、「いまある公立学校に対する厳しい見方、不信感に対してこれを
払拭するためには、教える先生方が高いモチベーションを持ち、学校が経営体
としてしっかり運営されること、そして設置者である自治体が学校をしっかり
支えること、さらにこれらの取り組みを国・都道府県が支えるということが重
要になります」と話しています。
つまり、公立学校の教育の質を保つためにも、国も含め財政的にもしっかり支
えていくことが根本にある・・・という立場です。


◇教育の自己点検・自己評価結果の公表へ◇


また、公立学校教育が責任ある体制の下で行われるために、教育の構造改革を
実現する必要があります。その一つとして、学校教育の質保証のために「学校
の自己評価・外部評価」のあり方の検討が視野に入っている模様です。


※ 学校教育の結果検証のあり方については、前回の特集記事(第5号)
   をご覧ください↓
   http://benesse.jp/berd/magazine/backnumber/bm5_051110.shtml


「学校が教育の質を向上していくためには、具体的な目標を設定し、その達成
に向け学校全体で取り組むこと、そして、学校の取り組みを不断に評価してい
くことが重要です。文部科学省の調査では、現在でも95%の学校が自己評価を
実施しています。しかし、実施している全ての学校が評価結果を公表している
わけではありません。今後は、評価結果の公表を進めていくことが必要です」
と銭谷局長は評価の重要性と課題を語ります。

この学校評価は、単なる学校の優劣ではなく、教育がどの段階や状況にあるの
か等を、家庭と地域がしっかりと協議して、その内容を積み上げていくならば
有効だと思います。しかし、保護者の立場から、教育の成果や段階をどのよう
に見ていけばよいのでしょうか?


今後、そのための重要な施策のひとつとして、「全国学力調査」が今回の中教
審の答申に盛り込まれています。

そこで次回は、追加コンテンツとして、全国学力調査の実施の意味を考え、こ
れからの義務教育のありかたを考えてみたいと思います。
(次号に続く)

*本特集のバックナンバー(第1回〜第2回)↓
   http://benesse.jp/berd/magazine/index.html#bn

*文部科学省・銭谷局長へのインタビューは、
  Benesse教育情報サイト・教育情報ブログ「どうなる!義務教育のゆくえ」
  にて詳しくご覧いただけます↓
   http://benesse.jp/blog/1/1/90.html


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  【3】コレは何の数字でしょう?
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******このコーナーについて******************************************
まず冒頭で或る数字(データ)を示します。これは、教育に関連する諸調査の
結果を一部抜粋したものです。その数字が何を表しているのかを、ヒントを参
考にしつつ考えてみてください。答えは下にあります。
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今回は:【○○○○をもっている小中学生の割合=78.3%】
HINT:学年が上がるほど、この所有率が上昇。少子化の影響もあるかも?

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ANSWER:
「子どもの勉強部屋がある」と回答した人の割合

ベネッセ教育研究開発センター(旧:ベネッセ教育総研)と朝日新聞社が共同
で行なった「学校教育に関する意識調査」(*1)によると、勉強するための部屋
を持っている小中学生は78.3%、およそ8割にのぼることがわかりました。学
校段階別に見ると、小学生は74.7%、中学生では85.4%となっています。


*1 ベネッセ未来教育センター・朝日新聞社共同調査
  「学校教育に対する保護者の意識調査」
   発表:2004年、対象:全国の小2/小5/中2生の子どもをもつ保護者
   調査概要などの紹介ページはこちら↓
   http://benesse.jp/berd/data/index.shtml#hogosyaisiki


ベネッセが2002年に行なった「第2回 子育て生活基本調査」(*2)でも同様の項
目を聞いています。この調査結果を地域別で見ると、首都圏(1都3県)では76.
8%、地方都市(四国地方の県庁所在地)では78.2%が「子どもの勉強部屋が
ある」と回答したのに対して、郡部(東北地方)では70.4%となっており、首
都圏と地方都市で高い結果となりました。


一方、「家族みんなで食事をする」、「親子で一緒に外出する」といった行動
面での親子の関わりや、「学校の参観日や運動会など行事に参加する」、「PT
A役員など学校の仕事の手伝いをする」など親と学校の関わり度合いは郡部で
最も高く、首都圏と地方は低い傾向が見られます。郡部では、保護者が子ども
の学びやはぐくみに主体的に関与し、親子が同じ経験を共有する時間を多く費
やしているようです。


*2 第2回 子育て生活基本調査
   発表:2003年、対象:全国3地域(首都圏、地方都市、郡部)の小1〜中3
     生の子どもをもつ保護者
   調査概要、報告書などの詳細はこちら↓
http://www.crn.or.jp/LIBRARY/KOSODATE/KOSODATE3/ICHIRAN.HTM


勉強部屋は、文字通りそこで勉強することが目的の空間です。しかし、専用の
部屋があるからといって、必ずしも勉強がはかどったり、学習内容の理解度が
増すとは限りません。

さらに、きょうだいがいる場合は年齢差や性差などの属性や、子ども1人ずつ
の個室をそれぞれ勉強部屋とするのではなく、寝る部屋と勉強部屋を別にして
それぞれをきょうだいで共用にするなど、「勉強部屋」にもさまざまな方法や
考え方があります。勉強部屋という空間がいつの間にか子どもの「牙城」と化
し、外界との関わりを拒絶しすぎてしまうことの危うさは、それが一因と考え
られる昨今の事件からも想像に難くありません。

そして、大切なのは、子どもが自分の部屋に居ても、他の家族との心理的なつ
ながりは閉ざさないことです。家族のコミュニケーション力が、子どもの学び、
成長の全ての基盤となることは、当然のことながら忘れたくないものです。


*3 モノグラフ・中学生の世界 VOL.78(調査:2003年11月〜12月)
   「中学生の48.6%がTVやラジオをつけたまま勉強」などの値より
   調査概要、報告書などの詳細はこちら↓
   http://www.crn.or.jp/LIBRARY/CYUU/VOL780/index.html


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   【編集後記】
先日、幼稚園に通う甥とおしゃべりする機会がありました。「○○クンはおお
きくなったら何になるの?」と尋ねたところ、即座に「クワガタ〜!!」の答
えが。「クワガタになってガンガンスマッシュするの!」・・・??それって、
プロレスラーとその得意技??…実はこれらの単語、すべてかの有名なゲーム
「ムシキング」の話でした。確かに、ゲームやTVのキャラクターへの憧れが、
将来の夢に直結していた頃、ありましたね!
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