BERD教育リポート メールマガジンバックナンバー

 「BERD教育情報通信」 バックナンバー 第8号(05年12月20日発行)

※文中に記述された内容は当メールマガジン発行時のものです。

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■   ■   ◆BERD教育情報通信*第8号 2005/12/20発行◆
■   ■    ベネッセ教育研究開発センター メールマガジン
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■    ■
■    ■ BERD=Benesse Educational Research & Development Center
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こんにちは。BERD教育情報通信第8号をお届けします。早いもので2005年
もあと10日。本メールマガジンも今年は今回で"配信納め"、次号は2006年1月
10日前後にお届けする予定です。
今回は12月に発表したばかりの最新調査レポートに加えて、Benesseが注目す
る教育関連ニュース記事の訪問者数ランキングを発表します!

■ INDEX ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥・
  【1】ベネッセ教育研究開発センターからの新着情報&お知らせ【news】
  【2】BERD教育レポート 『中学生の漢字テスト平均点は27.8点
      ――中学生配当漢字にもかかわらず』【report】
  【3】統計・調査データより『コレは何の数字でしょう?』【column】
  【4】2005年最終号・特別トピック『発表!Benesse教育情報サイト 
    今年最多の訪問者を集めた教育ニュース・トップ10』【column】
  【*】編集後記
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  【1】ベネッセ教育研究開発センターからの新着情報&お知らせ
       http://benesse.jp/berd/
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★05年12月20日
  報告書『中学生の国語の学習に関する調査報告書』を掲載しました
  http://benesse.jp/berd/data/index.shtml#kanji

★05年12月20日
  本メールマガジン『BERD教育情報通信』のバックナンバーを掲載しました
  http://benesse.jp/berd/magazine/index.html#bn

★05年12月12日
  VIEW21[高校版]2005年12月号『特集:つながる高大の「学び」』を掲載しました
  http://benesse.jp/berd/center/open/kou/view21/2005/12/12main.html


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父親の子育て意識・実態に関する、数少ない大規模調査です

12月12日プレスリリース
    『乳幼児の父親についての調査』速報版

  〜ベネッセ次世代育成研究所の調査研究報告書〜

 父親と子どもとの関係・家族関係・父親の仕事と家庭のバランスなどの現状
  を明らかにします。父親の子育てについて社会的関心が高まる中、現状を広
  く把握できる調査データとして是非ご活用ください。

◆調査項目◆
家事・育児の実態と希望/夫婦の家事・育児スタイル/理想的な父親イメージ
子どもの将来への期待および不安/育児休業制度の活用実態と意向/等

※ 調査結果の速報版をお送りします【無料】
    お申込方法:郵便番号、住所、氏名、電話番号をご記入いただいたFAX
    を下記までお送りください
    FAX:×××-××××(ベネッセ次世代育成研究所)
※ 本調査の詳細な分析をまとめた報告書は2006年3月発行予定です。
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【2】BERD教育レポート(1)
  『中学生の漢字テスト平均点は27.8点――中学生配当漢字にもかかわらず』
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ここ数年、子どもたちの活字離れが叫ばれています。
国としても、文部科学省がコミュニケーション能力育成の基盤となる国語力を
育成する必要性を明言するなど、活字離れの深刻さを認識し、さまざまなプロ
ジェクトを試みています。また各学校、とくに小学校を中心に、読み聞かせや
朝の読書活動などが行なわれています。

そんな子どもたちの国語に関する学習の実態を把握すべく、Benesse教育研究
開発センターではこのほど、中学生を対象に「漢字テスト」と「アンケート調
査」を併せて実施し、結果を分析しました。


今どきの中学生の漢字の習得状況は?国語に対する考え方は?
――2005年12月に発表した「中学生の国語の学習に関する調査報告書」より、
いくつかの興味深いトピックをご紹介します。


◇中学生の漢字の習得状況は?
  →中学生配当漢字にもかかわらず、漢字テストの平均点は27.8点。


いまどきの中学生は、学校で習った漢字をどの程度身につけているのでしょう
か。「中学校で習う漢字なのだから、悪くても半分くらいはできるのではない
か」と予想される方もいらっしゃるかも知れません。しかし、採点の結果、漢
字テストの平均点は、27.8点でした。

全体的な得点の分布の様子は、どうなっているのでしょうか。10点刻みの得点
分布を見てみると、「10点以上〜20点未満」の比率がもっとも高く、22.2%と
なっています。しかし、得点が高くなるにつれて比率が大きく減少し、60点以
上は全体の8.2%しかいないのです。


■漢字テストの得点分布

・「0点以上〜10点未満」  …17.7%
・「10点以上〜20点未満」 …22.2%
・「20点以上〜30点未満」 …21.3%
・「30点以上〜40点未満」 …13.9%
・「40点以上〜50点未満」 …10.5%
・「50点以上〜60点未満」 …6.2%
・「60点以上〜70点未満」 …4.0%
・「70点以上〜80点未満」 …2.5%
・「80点以上〜90点未満」 …1.5%
・「90点以上〜100点以下」 …0.2%

※ 漢字テストの得点分布をグラフでご覧いただけます↓
    http://benesse.jp/berd/magazine/hosoku/m8_051220_01.html


以上のような漢字テストの平均点と得点分布の特徴を踏まえると、中学生の漢
字の習得状況は、全体的にあまり芳しくないと言えます。


◇中学生はどんなことを思いながら国語の勉強をしているの?
  →約8割が、「国語はじょうずな勉強の仕方がわからない」と回答。


次に、学生はどんなことを思いながら国語の勉強をしているのでしょうか。
国語の勉強をしていて思うことをたずねた質問の回答結果を見てみると、「国
語はじょうずな勉強の仕方がわからない」と回答した比率(「よくある」と「
ときどきある」の合計)がもっとも高く、78.5%でした。一方、「どうして国
語を勉強しなければならないかわからない」と回答した比率はもっとも少なく、
30.1%でした。中学生は国語について、勉強する「理由」がわからないという
ことではなく、勉強の「方法」がわからないということに悩んでいると考えら
れます。


※ 「国語の勉強をしていて思うこと」の回答をグラフでご覧いただけます↓
    http://benesse.jp/berd/magazine/hosoku/m8_051220_02.html


◇中学生は日常生活で使う国語についてどのように自覚しているの?
  →8割近くが、「中学生の言葉づかいは乱れている」と回答。


では、中学生は自分自身が普段使っている国語に対して、どのような意識をも
っているのでしょうか。国語に関するさまざまな意見についてどう思うかたず
ねたところ、76.5%が「中学生の言葉づかいは乱れている」(「とてもそう思
う」と「まあそう思う」の合計)と回答しました。また、「パソコンで入力す
ればよいので難しい漢字を覚える必要はない」は17.1%でした。皆さんの中に
は、意外な結果に胸をなでおろした方もおられるかもしれません。


※ 「国語についての考え」の回答をグラフでご覧いただけます↓
    http://benesse.jp/berd/magazine/hosoku/m8_051220_03.html


こうした回答の傾向を総合して考えると、中学生たちは自分たちの言葉の乱れ
を自覚しており、国語の学習や漢字の習得の必要性を強く感じているようです。
中学生を取り巻く生活環境、学習環境は大きく変化しています。そのような中
にあっても、中学生の国語に対する意識や考え方までもが、大きく変化してし
まっているというわけではないようです。

         *        *        *

これまでの学習指導要領を通じて、国の施策をみる限り、漢字学習に関する取
り組みはややもすると後退する傾向が見られます。このため、漢字が書けない
実態を明らかにした今回のテストの結果は当然といえるかもしれません。しか
し、言うまでもなく国語はすべての教科学力に通じる、学習の土台となる力で
す。その意味では、漢字が書けないから機械的に、ひたすら漢字ドリルをする、
という考え方よりも、まずは読書などを通じて言葉の持つ意味を理解しながら
自然に漢字を身につけていくことがとても大切です。

フィンランドでは、国家教育委員会が2001年から2004年までを「読み書き力向
上強化期間」として読書離れ対策を実施していました。これが奏功してか、図
書館の年間貸出冊数は国民一人あたり21冊と世界トップレベルの図書館利用率
を誇ります。一方、日本の場合は4.1冊(文部科学省 社会教育調査:2002年
)という「おさむい」状況です。なるべく多くの文字に触れ、インプットを増
やす読書活動によって、漢字の知識も豊かになっていくはずです。


※ 「中学生の国語の学習に関する調査報告書」
    調査対象:東京都内の公立中学校に通う中学1〜3年生
    調査時期:2005年6〜7月
    サンプル:2,335名
    調査内容:中学生配当漢字939字から出題される漢字の書き取りテスト
          + 国語の学習にかかわる意識・実態に関するアンケート
   調査の概要・結果はこちらからご覧いただけます↓
   http://benesse.jp/berd/data/index.shtml#kanji


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  【3】コレは何の数字でしょう?
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◇◆ このコーナーについて ━━━━━━━━━━━━━━━…‥・
    まず冒頭で或る数字(データ)を示します。これは、教育に関連する
    諸調査の結果を一部抜粋したものです。その数字が何を表している
    のかを、ヒントを参考にしつつ考えてみてください。
   …‥・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇


◆今回は・・・◆
【父親が抱える、理想と現実のギャップは1時間――何に関するギャップでしょう?】


◆HINT◆
仕事から帰ったお父さんがしたいことの第1位かもしれません

…‥・…‥・…‥・…‥・…‥・…‥・…‥・…‥・…‥・…‥・…‥・
◆ANSWER◆

【「平日に子どもと過ごしたい時間」の希望と実際に過ごす時間のギャップ】

◇平日は、もっと子どもと過ごしたい◇

ベネッセ次世代育成研究所がこのほど発表した「乳幼児の父親についての調査」
(*1)によると、乳幼児を持つ父親が平日に子どもと過ごしたい時間(の長さ)
は「2〜3時間未満」が最も多く32.6%でした。一方、実際に過ごす時間は「1
〜2時間未満」が最も多く27.0%と、希望と現実との間にギャップがあるよう
です。


*1 Benesse次世代育成研究所「乳幼児の父親についての調査」
     発表:2005年12月12日
     対象:首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)在住の、
        0〜6歳4か月(就学前)の子どもを持つ父親2,958人


「子どもと過ごしたい時間」の結果はこちら↓
 http://benesse.jp/berd/magazine/hosoku/m8_051220_04.html


全体的には、以下のような傾向がみられます。
 
  ・実際に子どもと過ごす時間が2時間未満の人の場合、約8割が実際に過ごし
   ている時間よりも長く過ごしたいと思っている
  ・実際に子どもと過ごす時間が長くなるほど、希望と現実が一致する割合が
   増える


休日の場合は、実際に過ごしている時間と希望との間に大きなギャップはあり
ませんでした。実際の時間、希望の時間ともに「10時間〜ほぼ1日」が50%を
超えており、平日は思うように時間を取れない分、多くの父親にとって休日は
存分に子どもと過ごす日となっているようです。

◇父親の育児参加には社会的サポートが不可欠◇

就学前の子どもとの関係について、父親自身がどう評価しているのか
をみてみましょう。

 
  ・「自分は子どもに必要とされている」 …94.3%
  ・「自分は子どもの相手をよくしている」…73.5%
  ・「子どもと自分は互いに気持ちがわかり合っている」…69.0%

  ※いずれも「とてもそう思う」と「まあそう思う」の合計


こうしたことから、子どもとのかかわりについては「(本当はもっと長い時間
一緒に過ごしたいが)それなりに時間を作り頑張っている」と自己評価する父
親の姿が浮かび上がってきます。

一方、育児への参加という観点では母親の負担が非常に大きいのが現状です。
今回の調査でも、育児休業の父親の取得率(*2)は2.4%で、取得しない理由の
多くは仕事・職場との兼ね合いによるものでした。これからの子育てにおいて、
今後は母親への支援だけではなく、父親の子育て参加を促進する就業制度の整
備や工夫など、社会的なサポートの拡充がますます求められます。


*2 2004年度厚生労働省調査では0.56%。本調査の回答者は首都圏会社員の割
   合が高く、男性が育児休業を取れる会社に所属している人が多いため高い
   値になったと考えられます。


※ ベネッセでは、子育て事業全体への研究支援を主目的として
   「ベネッセ次世代育成研究所」の設立準備を行なっています。
   組織体制や研究テーマについては、2006年1月中に正式に紹介させていた
   だきます。


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  【4】2005年最終号・特別トピック
    『発表!Benesse教育情報サイト
       今年最多のページビューを記録した教育ニュース・トップ10』
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「Benesse教育情報サイト」では、要注目の教育ニュースを紹介するコーナー
「教育情報ブログ」(旧「教育ニュースハイライト」)において、2005年4月
から約9ヶ月にわたり44のニュースをとり上げ、レポートしてきました。
そこで今回は、同コーナーのなかでもっとも訪問者数(ページビュー)が多か
ったニュースのトップ10を調べてみました。


【Benesse教育情報サイト 教育情報ブログ 2005年訪問者数ランキング】
    http://www.benesse.jp/blog/1/index.html

1位 推計でニート85万人
      http://benesse.jp/blog/1/3/9.html
2位 中高一貫校173校に〜42都道府県に拡大〜
      http://benesse.jp/blog/1/1/20.html
3位 小・中・高校生の6割には「なりたい職業がある」
      http://benesse.jp/blog/1/3/16.html
4位 PISAでトップのフィンランドの教育
      http://benesse.jp/blog/1/3/26.html
5位 中・高校生の7割が「もっと勉強しておけばよかった」と後悔
      http://benesse.jp/blog/1/3/17.html
6位 子どもの食に関する指導の重要性
      http://benesse.jp/blog/1/3/53.html
7位 家庭で勉強しない子どもの実態
      http://benesse.jp/blog/1/3/25.html
8位 教員免許に更新制〜ただし現職は対象外
      http://benesse.jp/blog/\1//44.html
9位 子どもの体力が低下〜生活改善への方策が必要
      http://benesse.jp/blog/13/55.html
10位 30人学級は実現するか? 少人数化に向け研究協力者会議発足
      http://benesse.jp/blog/1/1/18.html


※ 訪問者数を決める要素は、公開してからの日数などさまざまな要因が考え
   られます。このため、実際の読者の関心度と順位が一致しているとは限ら
   ないこともあります。


全体的に、「学ぶ力」「生きる力」「体力」など子どもが本来身につけるべき
力が身に付いていないことを危惧するニュースが上位に並んでいるようです。

皆さんが選ぶ今年の「教育ニュースベスト3」は何ですか?

編集部までお知らせください。
お待ちしています!


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   【編集後記】
  編集部のある東京・神保町でも、クリスマスのイルミネーションが輝いて
  います。今年のライトアップ流行色は青色と白色とのこと。我が家のツリー
  用ライトは流行遅れ?の赤・黄・緑なのですが、これを見た姪いわく「青と
  白はなんだか寂しい。こっちの方が楽しそうでいい」。無邪気なコメントに
  喜んでいたのですが、実は流行に乗り切れないオジサンを気遣っての発言だ
  った(母親談)と後で判明。まだ幼いのにお気遣いありがとう!?
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