BERD教育リポート メールマガジンバックナンバー

 「BERD教育情報通信」 バックナンバー 第11号(06年02月08日発行)

※文中に記述された内容は当メールマガジン発行時のものです。

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■   ■   ◆BERD教育情報通信*第11号 2006/2/8発行◆
■   ■    ベネッセ教育研究開発センター メールマガジン
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■    ■
■    ■ BERD=Benesse Educational Research & Development Center
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こんにちは。BERD教育情報通信第11号をお届けします。今回の内容は英語
と国語がメインで、少し「文系志向」です。目下中教審で審議中の小学校英語
に関するレポートと、以前このメールマガジン(第8号)で紹介したところ大変
好評だった、中学生の漢字調査に関する結果をお伝えします。


■ INDEX ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥・
  【1】教育研究開発センターからの新着情報&お知らせ【news】
  【2】教育レポート「小学校の英語活動実態・HINTS&TIPS」【report】
  【3】統計・調査データ『7割の中学生、"国語学習が将来の役に立つ"』
     〜「中学生の国語の学習に関する調査」より(1)【report】
  【*】編集後記
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  【1】教育研究開発センターからの新着情報&お知らせ
      http://benesse.jp/berd/
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★06年02月07日
  報告書『幼児の生活アンケート・東アジア5都市調査(速報版)』を掲載
  しました
  /berd/data/index.shtml#youji_eastasia

★06年02月06日
  本メールマガジンのバックナンバー第10号を掲載しました
  http://benesse.jp/berd/magazine/index.html#bn

★06年01月31日
  VIEW21[小学校版] 『小学校英語活動Vol.6 地域人材をサポーターとして
  活用し、担任がリーダーシップをとって英語活動を実施』 を掲載しました
  /berd/center/open/syo/view21web/
syo_english/2006/01/s_en01_report_01.html

★06年01月31日
  報告書『経済産業省委託調査 進路選択に関する振返り調査−大学生を対象
  として−』を掲載しました
 /berd/data/index.shtml#shinrosentaku

☆06年02月09日(予定)
  大学まるごと調査『第4回 看護師に迫る』を掲載します
 http://benesse.jp/berd/research/index.shtml#050

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    〜ベネッセ教育研究開発センターの調査研究報告書より〜

             経済産業省委託調査
            進路選択に関する振返り調査
             −大学生を対象として−

   ◇◆◇ホームページ上で調査結果をご覧いただけます◇◆◇
    /berd/data/index.shtml#shinrosentaku

大学生を対象に、進路選択全般にわたる意識や実態をアンケート調査。とくに
理工系領域に進学した学生の進路形成や能力形成を詳細に分析しています。
「進路を選択するときの悩み」/「大学や学部・学科選択で重視したこと」等
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  【2】BERD教育レポート「小学校の英語活動実態・HINTS&TIPS」
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世界で最も多くの人々が母語とする言語は、中国語です(英語ではありません!)。
全体で8億8,500万人いるそうです。ちなみに英語はその半分以下の4億人と言わ
れています。


しかし、「公用語」の観点から見ると、英語の存在感は群を抜いており、英語
を 公用語・準公用語等とする国は世界で54カ国、21億人にのぼります。一方
の中国語は中国、シンガポールなどわずかな国々に限られています。


日本でも、「子どもたちが21世紀を生き抜くためには、国際的共通語として
の英語のコミュニケーション能力を身に付けることが不可欠」として、2003年
3月には文部科学省より「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」
が策定されました。同計画によると、国民全体に求められる英語力として「中
学校・高等学校を卒業したら英語でコミュニケーションができる」ことが目標
に掲げられています。


「スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール事業」(*1)や英語教
育 に関する「研究開発学校制度」(*2)の推進、小学校の英会話活動の支援な
どは、 その実践活動の一つです。


  *1 SELHi:英語教育を重視したカリキュラムの開発、一部の教科を英語によ
   って行う教育、大学や海外姉妹校との効果的な連携方策等について、実践
   的な研究開発を行う。

  
  SELHiに関する事例紹介や英語活動の評価についてのレポートはこちら↓
   /berd/center/open/keyword/selhi.shtml

 
  *2 市町村教育委員会等が主体的に設定した研究課題に基づき、学習指導要
   領等によらない教育課程の編成・実施を認める制度


こうした動きを背景に、現在さまざまなかたちで小学校での英語活動が行われ
ていますが、その実態はどうなのでしょうか?小学校における英語活動に関す
る調査結果を、いくつかピックアップして紹介します。


英語活動の、、、
◇現状について


・なんらかの英語活動を実施している小学校→92.1%
・「総合的な学習の時間」で英語活動を行っている学校→77%


◇実施状況について


・英語活動に対する児童の満足感
  「英語活動が好き(どちらかといえば好き」を含む)」→73.9%

・英語活動の達成度
   児童「よくできている+だいたいできている」→60.2%
   教員「よくできている+だいたいできている」→48.9%


◇課題認識・今後について


・英語活動が行われていない児童に対して、
  「英語活動を行ってほしい( どちらかといえばそう思う」を含む→66.3%


・小学校で英語教育を必修とすべきと思う人の割合
   保護者→70.7%
   教員→36.6%


・英語活動を実施する上での課題(教員向け調査)
   1位:ALTや英語に堪能な民間人など外部人材の確保→74.2%
   2位:教員間やALTや英語に堪能な民間人など外部の協力者との打合せ
      の時間の確保→50.2%
   3位:教材・教具等の開発や準備→45.0%
   4位:小学校教員の英語力や指導力の向上→44.9%

 
※ いずれも中教審外国語専門部会(第8回)議事録・配付資料より抜粋


上記以外のさまざまな調査結果をみても、保護者や児童からの評価や期待は比
較的高いようですが、実践に際しての課題は山積しており、指導する立場の教
員からは全体的にやや慎重で、保護者や児童ほど高くない実態が明らかになっ
ています。


Bebesse教育研究開発センター(BERD)のホームページでは、小学校の英語活
動動向に関するレポートを随時更新しています。
1月31日に公開した最新レポートは、約7万人の外国籍の住民や英語を話せる
市民が多数存在し、2004年度から「小学校英語活動推進校」事業を行っている
神奈川県の横浜市立桂小学校の活動事例。このコーナーはBERDの情報誌「VIEW
21」本誌では掲載していない、ウェブサイトだけのオリジナルコンテンツです。
他にも学校の先進的な取り組み事例などを紹介していますので、英語学習のヒ
ント探しに、是非ご一読ください。
 /berd/center/open/syo/view21web/
syo_english/2006/01/s_en01_report_01.html

なお、「英語が使える日本人」の育成のための行動計画に関して、これまでの
取 組状況などを報告する「『英語が使える日本人』の育成のためのフォーラ
ム2006 」が3月17日、横浜にて開催されます。小学校英語の活動事例や、中教
審の進捗状況などが報告されるほか、NHKアナウンサーの講演もあるそうで
す。詳しくは文部科学省ホームページをご参照ください。
 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/01/06013100.htm

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  【3】統計・調査データ『中学生の国語の学習に関する調査』より(1)
      7割の中学生、"国語学習が将来の役に立つ"
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ベネッセ教育研究開発センターでは、2005年12月に「中学生の国語の学習に関
する調査報告書」(サンプル数:2,335名)を発刊しました。その結果の一部
を第8号で紹介したところ、多くの方々に興味を持っていただきました。あり
がとうございます!


「中学生の国語の学習に関する調査報告書」調査・結果概要はこちら
  http://benesse.jp/berd/data/index.shtml#kanji


そこで、この調査結果のなかから、さらにいくつかの興味深いトピックを複数
回にわたって取り上げていきたいと思います。「国語」という教科に限らず、
言葉や文字を使うことやコミュニケーションの大切さなどについて、今どきの
中学生はどのように考えているかをお伝えしたいと思います。


なお、グラフなどの視覚的なデータや細かいデータなどはテキスト(文字)で
表現するのが難しいため、メルマガ上では「さわり」だけのご紹介に留めます。
ホームページ上で詳しく掲載していますので、併せてご参照ください!
第1回目は「中学生の国語学習に関する"役立ち感"」についてです。


◇国語の学習は将来どんなことに役立つか?◇


                  「役に立つ」の割合
高校や大学の受験に合格するのに・・・・93.1%
相手が言っていることを理解するのに・・87.8%
自分の考えを相手に伝えるのに・・・・・87.4%
ふだん生活するのに・・・・・・・・・・80.9%
いろいろな教科を勉強するのに・・・・・76.3%
好きな仕事につくのに・・・・・・・・・71.2%


国語の学習は将来どんなことに役に立つかをたずねたところ、6つの項目すべ
てついて「役に立つ」(「とても役に立つ」「まあ役に立つ」の合計)と答え
た中学生が7割を超えています。


もっとも多いのは「高校や大学の受験に合格するのに」という回答でしたが、
「相手が言っていることを理解するのに」や「自分の考えを相手に伝えるのに」
という項目でも、「役に立つ」という回答が9割前後と高くなっています。こ
のことから、中学生は受験のためはもちろんのこと、日常のコミュニケーショ
ンにも国語の学習が役に立つと考えているようです。


なお、この結果を学年別に集計してみたところ、ある一定の傾向が見られまし
た。詳細は下記で紹介しています。是非アクセスしてみてください↓↓
/berd/center/open/report/kanji/2005/
pdf/kanji03.pdf
(P21「4.国語の学習は将来どんなことに役立つか」)


       *         *         *


今回の調査結果について、(社)全国学校図書館協議会学校図書館活動推進委
員の藤森 喜子先生は次のように解説しています。
「今回のデータは、なるべくしてなった当然の結果を示しています。今回の調
査は、新制中学発足(1947年)の時から今日まで、社会的な背景とそれに対す
るわが国の国語教育施策が適切であったかどうかを問うものといってよいでし
ょう。また、漢字の習得は子どもたちの生活の変化と密接に関係しています。
『字が書けない』現象は大人社会にも生じていることから、今回のテスト結果
(平均27.8点/100点)ももっともなことだと言えます。言語はものを考え、
人と人とのコミュニケーションや創作活動等すべての活動の根幹となるもの。
今後、新しい教育改革が具体的に実施されていくなかで、小学校から高校まで
の体系的な教育理論と教育内容の確立が望まれます」

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   【編集後記】
  国公立大入試の2次試験の願書受付が締め切られ、最新の集計結果では倍率
  4.7倍だそうです。確定後の倍率は若干上がると思われますが、志願倍率の
  上位と下位、いずれにも名を連ねているのが教育大。医科大などと並び「手
  に職」志向が伺える一方で、単科大が直面する大学再編のうねりも感じられ
  ます。さらにネットを活用した「サイバー大学」設立の動きも、、、。大学
  全入時代を控えた今日、学生も、保護者も、大学の役割や機能がどこにあり、
  その中で自分(わが子)は何をするのか、大学改革のゆくえを見極めて大学
  選びをしたいものです。
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