Pick UP 教育データ 第18回 国際的な学力テスト「PISA」の教員認知度は5割以下
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第18回

国際的な学力テスト「PISA」の教員認知度は5割以下

ここ数年、教育界で話題になることの多いPISA(*)。日本の子どもたちの学力低下が問題になった国際的な学習到達度調査です。PISAで測られている「活用力」を高校入試などでも問うようにしていくことも検討されていますが、学校の先生方にはどのように認知されているのでしょうか。「中学校の学習指導に関する実態調査」で探ってみました。

 PISAを「知っている」のは教務主任46.0%、理科教員30.3%、社会科教員27.4%

▼図1 PISAの認知状況

図1
出典:中学校の学習指導に関する実態調査(2006年)/ベネッセ教育研究開発センター

マスコミなどで取り上げられることの多い日本の子どもたちの学力低下。その論争の発端ともなったPISAですが、教員にはあまり認知されていないようです。
2006年にベネッセ教育研究開発センターが行った「中学校の学習指導に関する実態調査」によると、PISAの調査内容や結果を「知っている」(「とてもよく知っている」「だいたい知っている」「多少は知っている」の合計)と回答した中学校教員の割合は、教務主任が46%、理科教員が30.3%、社会科教員が27.4%でした。
要因としては、日本で調査対象となる生徒数が5,000人程度と少なく、実際に現場の教員がPISAについて意識する絶対的な人数が少ないこと、また、PISAを指導に取り入れる必然性がないと意識している教員が多いことなどが考えられます。

 PISAを「知っている」教員の半数以上は、授業に取り入れる必要性も感じている

▼図2 PISA型学力が身につく指導を授業で取り入れる必要性

図2
※「PISA」の認知に関する質問で、「とてもよく知っている」「だいたいを知っている」
「多少は知っている」に○をつけた者のみ回答。
出典:中学校の学習指導に関する実態調査(2006年)/ベネッセ教育研究開発センター

PISAの認知自体は低い一方で、PISAについて、「知っている」と回答した教員にたずねた設問では、半数以上の教員が「取り入れる必要がある」(「とても」「やや」の合計)と考えていることがわかります。否定的な回答は少なく、「取り入れる必要はない」(「あまり取り入れる必要はない」と「まったく取り入れる必要はない」の合計)は数%に過ぎませんでした。PISAを認知している教員は、その必要性を実感している様子がうかがえます。

 

今後、PISAで問われているような学力が、ますます注目される時代になっていくでしょう。このPISA型学力が、学校でどのように取り入れられていくのか。その動向を見守っていきたいところです。

 こんなデータも

今回引用した「中学校の学習指導に関する実態調査」では、2006年度から正式に教科書に導入された「発展的な学習」についても調査しています。授業での取り扱い方や定期テストに出題しているかなど、全国の中学校の実態がうかがえます。

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第1回小学校英語に関する基本調査(教員調査)

*PISA:Programme for International Student Assessment
OECD生徒の学習到達度調査。参加国が共同して国際的に開発した15歳児を対象とする学習到達度問題を実施。2000年に最初の本調査を行い、以後3年ごとのサイクルで実施している。2003年調査では、「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」「問題解決能力」を主要4分野として調査。41カ国・地域(OECD加盟30カ国、非加盟国11カ国・地域)から約27万6,000人が参加(ただし、2003年調査では、イギリスの学校実施率が国際基準を満たしていなかったため、分析から除外されている)。

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