第1部 これからの学力調査を考える 学力調査を教育改革の起爆剤に
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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教育改革への起爆剤となることを期待

 1950〜60年代に実施された全国一斉学力テストでは、マスコミの過度な報道などが地域や学校の序列化を引き起こしました。今回はその反省を踏まえて、順位付けや格付けのためでなく、結果を学力向上に結び付ける方策に重点を置いたガイドラインを作成します。また、都道府県や市区町村、学校といった各段階での活用法を事例集にまとめ、調査結果の有効活用を推進します。
  もう一つ、大きな視点から見た学力調査の目的として、教育現場の意識改革があります。従来の教育は、“印象”や“心情”で語られる傾向がありました。「目がきらきらしている」「いきいきと学んでいる」などは教師が感じた印象であり、「誠心誠意、頑張っている」「愛情を込めて教えている」は心情です。そのすべてを否定しようとは思いませんが、いきいきと学んでいるからといって、学力が向上しているとは限りません。学力を着実に向上させるには、明確なデータを基に対策を講じる必要があるのです。これまでの教育現場では、そうした考えが後回しになっていた気がしてなりません。
  全国的な学力調査が起爆剤となり、教育委員会や学校、保護者それぞれの意識改革が進むことを期待しています。
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