ベネッセの研究開発 新中1生に見る「算数」の定着度
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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明日の教育を考える
ベネッセの研究開発

今回紹介する調査テーマ

新中1生に見る「算数」の定着度

「数学は楽しい、好き」につながる新入生への導入指導を

4月に迎え入れる新中1生は計算力に関してどのような課題があるのだろうか。算数から数学へ、つまずきを減らしてスムーズに移行するためのヒントをベネッセ教育研究開発センターが行った調査から考える。

学年が上がるにつれて下がる正答率

 今回の調査は、
◎学習指導要領内の計算が一人ひとりに確実に身についているか
◎学習指導要領の範囲外の計算においても、自力で解決できるよう、計算原理を理解し、活用できる力が身についているか
という二つの実態を明らかにするために行った。また、意識調査も併せて行い、計算力と算数や勉強に対する意識との関連も調べた。調査結果から明らかになった、現行の学習指導要領での計算力の実態とその課題について、小学6年生の結果を中心に報告する。
 小学1〜6年生の計算問題の正答率(図1)を見ると、学習指導要領内の問題の正答率は、一番低い5年生でも約70%、他学年はそれ以上であり、概ね計算力は身についているといえる。しかし、1〜3年生は正答率が約87〜96%と高いが、4〜6年生の正答率は約70〜79%とやや低い。全体的には、学年が上がるにつれて正答率が低くなる傾向が見られる。

図1

 5年生から6年生にかけて正答率が上向いているが、6年生向けの出題は分数計算のみであるため、6年生で計算力が高まっているとは言い切れない。もし、4、5年生で出題した小数計算を6年生にも出題した場合、正答率は今回の結果よりも低くなる可能性がある。

小学生の計算力に関する実態調査2007

小学生の計算力に関する実態調査2007

◎児童の計算力の実態と算数に対する意識を明らかにするために調査を実施した。


概要

調査方法 学校通しによる計算力テスト・質問紙調査
調査対象 全国の公立小学校31校の1〜6年生 合計8,897人(調査対象校は無作為抽出)
調査時期 2007年2〜3月(一部4月に追加調査)
調査内容 (1)各学年の計算問題 学習指導要領内の計算+学習指導要領外の計算、(2)算数の学習に関する意識



詳しい調査内容、報告書の入手方法は、こちらをご覧ください


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