特集 家庭学習─机に向かう習慣づくり
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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約8割が「半年前より家庭学習に取り組めた」と回答

 成果は、家庭学習に関する生徒アンケートの結果に表れた。08年度の2年生(現3年生)の場合、「家で授業の復習をしていますか」という質問に対する肯定的な回答が、4月調査に比べ11月調査では32ポイント増えた。「授業に意欲的に取り組んでいますか」「学校の授業で学力が付いたと思いますか」という質問への肯定的な回答も、それぞれ約10ポイント上昇。3年生の前期中間テストで定期テスト計画・実行表に記入した学習時間と実行時間が、2年生の後期期末テスト時点と比べて増えた(図1)。更に、「4月より家庭学習に取り組めたか」という質問を9、11月に行ったところ、全学年の7〜9割が肯定的な回答をした。
 「変化が見られない項目や学年差がある項目もあります。しかし、全体的に家庭学習習慣が定着しつつあると手応えを感じています」(橋本副校長)
 地域の特徴として、保護者は学校に協力的だが、子どもの学力について楽観的な傾向があるという。しかし、学校の姿勢や取り組み状況を発信することで、保護者は、学力向上の必要性や、そのために家庭学習を充実させることの重要性を理解し始めているという。
 一連の成果を得て、次の課題が見えてきた。一つは、3年生でも宿題を提出しない生徒や、基礎・基本が身に付いていない生徒への手立て。もう一つは、授業と家庭学習の関連付けの強化だ。具体的には、個に応じた家庭学習指導や、家庭学習として授業の予習に取り組ませる方法が考えられると田畑校長は話す。
 「例えば、家庭学習の選択肢を三つほど用意して、その中から生徒に合わせた内容を選ばせるなどの方法を検討中です。授業との連動も、家庭学習の内容や出し方の工夫とセットで考える必要があります。時間は掛かるかもしれませんが、家庭の協力を得ながら取り組んでいきたいと思います」(田畑校長)

図1:定期テスト勉強の計画時間と実行時間

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