特集 新課程対応─時数確保のひと工夫
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【現状と課題】

授業時数の確保に関する読者の悩み

(編集部まとめ)

行事が多い


もっと減らすべき、減らせるはず

・行事とその準備に時間をかけ過ぎている。もっと効率化しないと授業がカットされる一方になってしまう

・総合学習や特活の在り方を踏まえて精選したいが、出来ていない


これ以上減らすべきでない、減らせない

・これ以上、行事を減らし、内容を工夫するのは困難。教育的効果からも簡単に削減するわけにいかない。しかし、授業時数の確保のためには行事を精選しなければならず、準備や練習の時間を減らさねばならないというジレンマがある

「総合的な学習の時間」の扱いがあいまい


内容を減らす必要がある

・今まで「総合的な学習の時間」で、発表力、表現力を育てていた。それに代わる時間を教科指導で行う余裕がない

他教科等との役割分担と時数配分が難しい

・学活、道徳、「総合的な学習の時間」の時数配分があいまいで、終わってみれば「学活」らしき活動、あるいは「特活」として教育課程外で確保していることが多い。それだけ必要性も高いといえる

・学校裁量による選択教科と総合学習の時数をどうするかで、校内でも判断が分かれ困っている

教員数の不足、多忙の常態化、新教育課程への対応

放課後の指導との両立が必要


学力保障への不安がある

・放課後や選択教科で行っていた補充的な学習の時間が取りにくくなり、授業だけで学力差を改善しきれない生徒の活動時間が圧迫される

・6校時まである日が増え、部活動や生徒と活動する時間の確保が難しい

出張・会議が多い


出張が授業時数に影響

・校務分掌ごとの会議や教育委員会主催の研修などで、出張が多い。自習時間を減らすために、授業変更を繰り返している

会議等との両立が難しい

・放課後に会議などを行いにくく、教師間の意思疎通が難しくなっている

その他


・選択教科の縮減に伴い、教師間の持ち時数の不均衡が生まれている
・時間割を頻繁に変える必要があるが、非常勤講師がいるため変更が難しい
・3年生の場合、進路指導や入試、卒業期の関係により、授業可能日数が少ない
・教科間で時数の取り合いになっている

【対応策】

時数を確保し、生徒と向き合う時間を生み出すために

授業日数を増やす


・長期休業日の短縮、自治体や学校独自の祝日を休業日としない
・学期制の変更
・土曜日に授業を行い、振り替え授業を行わない

授業時数を増やす


・週当たりコマ数の増加、帯時間の活用
・行事の更なる精選
・他教科・領域等との重複部の見直し
・短縮授業の削減 ・給食日の増加
・変動制時間割による自習時間の削減
・授業進度の管理の徹底
・授業時間の変更(1コマ45分×1日7時間等)

校務を見直す


・会議の効率化や回数等の見直し
・校務分掌の見直し

具体的な取り組みは、次ページからの学校事例で紹介します


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