特集 新課程対応─時数確保のひと工夫
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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教育課程編成・運用、時数確保の工夫

[1]選択教科に、体験活動と基礎学力定着を組み込む

選択教科で教科学習に無い体験活動を

 同校は、教科に関連した体験学習や異年齢交流の機会を選択教科に取り入れている()。
 一つは3年生の学校選択で行う技術・家庭科。08年度までは「総合的な学習の時間」(以下、総合学習)で行っていたが、09年度は総合学習の時数が減ったため、学校選択とした。技術科ではものづくりを、家庭科では保育を体験。家庭科では生徒が各自絵本を作り、地域の幼稚園を訪問し読み聞かせなどを行う。
 もう一つは、2年生の選択Aだ。授業時数の多い国・数・英を除く6教科で開設。前・後期で異なる講座を希望制で選択する。いずれも必修の授業とは別扱いとし、箏(こと)や合気道など体験型の独自プログラムを用意した。
 12年度には選択教科が無くなるが、これまでに蓄積したノウハウを他教科で生かすことは十分可能だと考えている。例えば、毎回外部講師を招いて行い、男女を問わず人気の高い箏(こと)の授業。新学習指導要領で示された伝統音楽の重視にもつながるため、全面実施後も音楽の単元に組み込む予定だ。更に、「総合学習として捉えることも可能です。2月には外部講師の人脈を生かして箏(こと)や三味線、尺八の演奏を聴き、その後ワークショップ形式でそれらの楽器を体験するコンサートを開催します。これは企画次第で学習をもっと深められますし、外部の方と交流する機会はキャリア教育にもなります」(田中校長)と説明する。

図:選択教科の種類と年間授業時数(2009年度〜)

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