特集 研究授業を活性化させる!
高橋正博

▲山形市立高楯中学校教頭

高橋正博

Takahashi Masahiro

堀川明

▲山形市立高楯中学校

堀川明

Horikawa Akira
教務主任、技術科担当

尾形晶彦

▲山形市立高楯中学校

尾形晶彦

Ogata Masahiko
研究主任、美術科担当、1学年担任

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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教師全員でつくり、高め合う研究授業に工夫を凝らす

 高楯中学校が校内研究授業に力を入れ始めたのは、2006年度のこと。その背景を、教務主任の堀川明先生は「本校は教師数が1教科当たり1〜2人と、教科内だけで刺激し合い、授業力を高めるのは難しい状況です。そこで、まずは教科の壁を超えて授業を見せ合うことから始めようと考えました」と話す。
 一人ひとりが主体的に取り組めるようにと、教師個別の研究テーマを設定し、全員が年1回の研究授業を行う「一人一研究」を始めた。しかし、初年度は授業の進度や日程的なタイミングが合わない教師も出てきて、全員が研究授業を行えたわけではなかった。そこで、2年目は年度当初に本人に大まかな予定を申請してもらい、その日が近付くと月間計画表に明記するなどして実施を促すようにした。更に、指導案は簡略化し、研究授業そのものが負担とならないようにした。
 小規模校のメリットを生かした「全員参加」にもこだわっている。その工夫は、ワークショップによる研究主題の共有と深化(P.15)、校内研究授業日の設定、ペアワークを取り入れた事後研究会の進め方(P.16)にも表れている。例えば、「一人一研究」の授業日は授業者が指定するため、時間割によっては参観できない教師が出てくる。そこで、年4回は全体研究会として年間計画に組み込み、必ず全員が参観することとしている。高橋正博教頭は、「常に変化する子どもに合わせて、教師も指導法の工夫、改善を考えなくてはなりません。そのために必要な研修の時間は、どんなに多忙であっても確保し、学校として保障すべきだと考えています」と話す。
 研究テーマは生徒の実態に即して年度ごとに変えるが、これも教師全員で話し合って決める。新学習指導要領の趣旨を踏まえた上で、改めて「目指す生徒像」を共有する大事な機会となっている。

図:高楯中学校の研究授業の流れ

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