特集 学生の活力を改革に生かす

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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シンポジウムがきっかけ

 学生が継続的にFD活動に参加するようになるきっかけは、99年、毎年1回開催される教育問題に関する全学シンポジウムの企画に関わったことだった。教育開発センターの橋本勝教授によれば、「FDを進めてきた教員の間には、学生を本格的に参加させることの重要性について共通理解ができていた」という。次は、企画だけでなく発言者としてシンポに出てもらうことで一致。校友会学生メンバーや生協の学生委員など4人が呼びかけに応え、00年のシンポに参加した。
 その反省会の席上で、学生から「この種のイベントで終わるのは不完全燃焼。自分たち学生の幅広い意見を集約するために、恒常的な組織をつくってもらえないか」との意見が出た。橋本教授は「学生に声をかけたのは、そういう意見が出てくることを期待したから」と振り返る。01年7月、学生と教職員が共に教育の改善について考える「学生・教員FD検討会」を設置。月1回の全体会議のほか、日常的に課題を検討するWGの会議も随時開かれる。現在、「シラバス」「授業評価」「新授業提案」「外国語教育」など七つのWGが活動している。
 発足当時は、検討会での提案は再度FD専門委員会で審議されていた。しかし、シラバスや授業評価に関しては学生の意見による改善の効果が大きいことが分かり、検討会の意見を最大限尊重する方向に転換。3年間実績を積み重ね、04年には検討会が「学生・教職員教育改善委員会」に改組・改称された。改善委員会は、FD専門委員会と並列の独立機関としての性格を帯びはじめている。


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