シラバスＷＧは、学生が使いやすいように具体的な改善を提案する。最初は冊子のシラバスの改善に取り組んだ。
　改善点は二つ。一つは、事務処理の都合に合わせ講義番号順に並んでいた授業を、履修選択に便利なように、前期・後期などの開講時期、曜日、時限、授業の種類別に並べ替えたこと。もう一つは、箇条書きになっていた科目名や区分、講義番号、開設時限、授業の概要、授業計画などを、項目ごとに枠で囲み、文字の大きさを変えて体裁を整えたことだ。
　01年の秋から作業に取りかかり、02年度版のシラバスではこれら二つの提案を完全な形で実現させた。「学生は、自分の提案がすぐに実現したことに達成感を感じ、それが他のＷＧの活動にも弾みをつけた」と、橋本教授は語る。シラバスの在り方についても議論を重ねている。現在、授業選択に最低限必要な情報のみを載せた冊子と、詳細なレジュメを掲載したＷｅｂ版があるが、これを一本化すべきかどうかが検討されている。
　授業評価ＷＧでは、アンケートの質問項目の見直しなどをする。現在使われているアンケート用紙には、ＷＧの意向が反映されている。以前のものについて学生からは、「シラバスの到達目標に達したかと質問されても、何が目標なのか分からない」といった苦言が寄せられていた。シラバスには到達目標が記載されているが、日常的にそれを持ち歩いているわけではない。アンケートは最終試験の際に実施するため、到達目標を授業中に示すと、出題のヒントを与えることになってしまう可能性もある。
　そこで議論を重ねた結果、シラバスに関する質問を削除した。橋本教授は、「シラバスとの整合性を問わない授業評価アンケートはかなり珍しいはず。しかし、授業評価の目的を考えれば、学生が責任をもって答えられる質問にしなければいけない。このＷＧを通して、授業評価の意義が教員にも学生にもしっかりと浸透してきたのではないか」と見る。