特別企画 高校生は「働くこと」をどう考えているか

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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「好きなこと」優先、でも堅実志向

 高校生が「働くこと」をどう考えているのか質問した結果を(図表3)にまとめた。

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図表

 1〜3年生に共通して最も多い回答は、「好きなことや関心のあることを仕事にしたい」で「とてもそう思う」68.4%、「ややそう思う」28.7%を合わせると9割を超えている。「総合的な学習の時間」での学習などを通して、「好きなことの中から仕事を選ぶ」という考え方が浸透していることを裏付ける。
 一方で、「気に入る仕事が見つかるまでは、パートやフリーターでもかまわない」「やりたい仕事ができなければ、その職場を辞めてもいい」という考え方に肯定的な生徒は、「とても」と「やや」を合わせても4割に満たない。むしろ「学校を終えたら、働くことは社会の一員として当然のことだ」「多少妥協しても、とにかく正社員を目指す」という堅実派が多い。
 調査結果を分析した上智大学総合人間科学部教育学科の武内清教授は、「基本的に『好きなこと』を仕事にしたいが、同時に収入や生活の安定も目指す生徒が多い。フリーターやニート志望は少数で、大多数の高校生は堅実な職業観の持ち主だ。大人がそれほど心配する必要はない」と指摘する。


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