「たかさき活性剤本舗」は、都市経営・国土政策が専門で、04年度まで特任教授だった横島庄治氏のゼミ生を中心とする活動。高崎市が99年に「中心市街地活性化基本計画」を策定した際、市民へのアンケートやヒアリング調査を横島氏に委託した。ゼミ生は、調査を実施して提言をまとめた後も、自主的な活動を継続。中心市街地の衰退ぶりを「街が病んでいる」状態と捉え、元気にするための活性剤を提供するという意気込みを込めて、「活性剤本舗」と称している。
　商店街の一角に「店舗」を構え、活動拠点にしてきた。人が集う場を作ること、語り合うための仕掛けを考えることがテーマだ。「クリーン作戦」と銘打った美化運動、七夕、餅つきなど、様々なイベントの企画に関わっている。本舗内にギャラリーを設け、保育園児の絵をはじめ、住民の写真、俳句、書道などの作品を展示。これらを見にきた人から、まちづくりについての意見をヒアリングする。
　街中に手作りの憩いの場「ＩＫＯ・ＩＫＯ広場」を設け、様々なイベントと連動させるという活動も続けている。
　本舗が作った「たかさき裏町マップ」は、ラーメン屋、カフェ、映画館など、若者の目から見た「隠れた名店」を紹介するパンフレット。最初のページには、自分たちの本舗を登場させた。
　大宮教授は、「今でこそ、空き店舗が増えて空洞化した市街地を学生が再生させるプロジェクトが、全国で盛んになっているが、2000年頃まではほとんど例がなかった。本学での活動が先駆けになったといっていいだろう」と話す。 　横島氏の退任で、都市計画が専門の原田寛明教授が活動のバックアップを引き継ぐことになり、現在は、新たな展開を模索しているところだという。