「ラジコム」は、地域政策学部長で、地域づくりを専門とする大宮登教授のゼミ生の自主企画によるラジオ番組だ。コミュニティ放送局・ラジオ高崎のサテライトスタジオをキャンパス内に設け、99年にスタートした。月２回、月曜夜の30分番組で、市内のイベント情報を中心に発信している。企画から取材、パーソナリティーまで、すべて学生が担う。ほかの週は、群馬県立女子大学と前橋工科大学が番組を担当している。
　大宮ゼミの学生は、県商工労働部からの委託で「CANWORK事業」にも関わっている。地元で活躍する人に、仕事の内容、やりがい、若者へのメッセージをインタビューし、その内容をHPに掲載する。
　これらの活動の基盤を強化するため、04年にはゼミ生がNPO法人「DNA（Design Net-works Association）」を設立。使命として、「若者の社会活動の場を確保し、社会の中で自分らしく輝いて生きていく力（社会力）を養う」「若者のネットワークを広げ、生き方や働き方をデザインする力（キャリアデザイン力）を養う」ことを掲げている。
　法人設立直後から、厚生労働省、文部科学省、経済産業省の共同事業「ジョブカフェ」の支援に関わっている。若者の能力向上と就業支援を図るためのサービスを１カ所に集約して提供するジョブカフェの、全国15のモデル事業の一つに選ばれた。人材開発会社と連携して、若者の相談に乗り、就職・定着までを支援する。
　大宮教授は、「就職したい若者が相談したい相手は、豊富な企業情報を持つ団体とは限らない。地域の実情をよく知り、同じ目線で一緒に考えてくれる仲間を必要としている。ゼミ生たちに地域での活動実績があったからこそ、モデル事業に採択された」と話す。