学校インターンシップは、受け入れ校にとっては、マンパワーの補充という点で大きなメリットがあるが、大学にとっても学生への教育効果という見逃せない利点がある。
　芝井学部長は、「教育という仕事に教師が熱心に取り組む姿を目にしたり、生徒からの様々な相談に応じたりすることで、多くの学生が人間的に成長している」と評価する。
　04年度のアンケート調査によると、研修生に対する受け入れ校の評価は、14％が「めざましく成長した」、86％が「成長した」となっている。参加した学生の感想も「大変満足」が45％、「満足」が45％で、９割が満足感を示している。品川教授は、「学校という慣れ親しんだ場所で、教師と生徒を結ぶ存在として双方と関わりを持つことで、社会での居場所の確認や責任の自覚といった意識が芽生え始めているのではないか」と分析する。
　このプログラムはＦＤを推進する足がかりにもなっているという。学生が外の世界と関わって成長する姿を目にすることで、教員にとっても自らの教育の在り方を見つめ直す機会になっているからだ。
　今後は学生だけの活動にとどめるのではなく、大学と学校、さらには大学と地域社会とが結びつくような活動に広げていきたいと、品川教授は抱負を語る。