コース制導入や新学科開設が相次ぐ

　経済学部の改革が遅れた背景には、専門分野が違う教員間の意見調整の難しさがある。かつてはマルクス経済学と近代経済学、現在はマクロ経済学とミクロ経済学という具合に、この学部には常に対立的な構造がある。それでもここ５年ほどの間に、改革に動き出す大学が目立ってきた。
　経済学科や経営学科といった基幹学科では、学生の多様なニーズに応えるべく、学科内に複数のコースを設置し、選択の幅を広げるところが多い。
　一方で、これらの基幹学科とは別に、経営戦略学科、ビジネスマネジメント学科など、実践的な経営スキルを教える学科や、国際経済学科、国際経営学科といったグローバルな視点で経済学を教える学科も、数多く新設されている。
　甲南大学の「ＥＢＡ総合コース」や、後述する成蹊大学の「国際社会プログラム」「情報分析プログラム」のように、学ぶ意欲があり成績も優秀な学生を対象に、より高度な教育をする「エリート養成」的なコースやプログラムを設ける大学もある。