中期目標・計画の期間は６年間で、各国立大学法人はこの間、毎年、年度計画を作成して文科省に提出します。その年度計画に従って教育研究活動を展開し、管理経営を行います。年度計画および中期計画期間の終了後、それぞれについて評価がなされます。そこでは三つの組織が関与します。
　一つ目は、国立大学法人評価委員会です。委員会は前述のように、中期計画の認可の前に、文部科学大臣に中期目標・計画案に対する意見を提出します。各大学は年度計画および中期計画の終了後に、業務の実績を委員会に提出します（図表１の６）。委員会は、年度計画については教育研究を除いてそれ以外の実績を評価します（図表１の７）。中期目標・計画の期間終了後には、教育研究と経営面の実績を総合的に評価します。その結果を各大学に通知し、公表します（図表１の10）。国立大学法人評価委員会は、必要があれば、業務運営の改善等の勧告も行います。このように法人評価委員会は、目標・計画・評価のサイクルのすべてに関与するという重要な役割を担います。
　国立大学の評価に関わる第二の組織は、大学評価・学位授与機構です。これは法人評価委員会からの要請を受けて（図表１の８）、各大学の教育研究を評価します（図表１の９）。第三の組織である総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会は、国立大学法人評価委員会から評価通知を受け、文部科学大臣に対して主要な事務・事業の改廃について勧告できることになっています。これらのプロセスがすべて終了すると、再びサイクルの図表１の１に戻ります。
　評価結果の活用方法としては、大学自身の改善の指針をはじめ、次期中期目標・計画への反映、運営費交付金の算定への反映の三つが想定されています。このことから分かるように、理念的には、これらの評価は大学を順位づける目的で実施されるわけではありません。