改革進化論 あの挑戦は今 第2回 立教大学の「全カリ」
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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研究テーマを全学に伝える場としての全カリ

 全カリは年々充実し、05年度は学部の総コマ数の39%を占める約2300コマ。科目は毎年点検・改訂し、4年ごとに大きな見直しをかける。06年度は2346コマを予定している。
 当初、全カリ科目は主に一般教育部出身の教員が担当していたが、次第に学部の専門教員にシフト。05年度は、一般教育部出身の担当教員は7人前後で、専門の教員は約50人だという。ここからも、「全学出動」が実現されていることがうかがえる。
 全カリ総合科目の担当教員は、専任教員の数に応じて各学部から出し合う。一人がおよそ3年に1回、1科目を教えるというローテーションである。
 全カリの総合科目では、各学部の専門科目を多少加工して教えるといった安直さは許されない。学部の専門教員には、自分の専門を教養科目として教えるための並外れた努力と工夫が求められる。「その意味では授業法改善のいい勉強になる」と、山本教授。自身も、総合Aの「宇宙の科学」を担当している。「自分の研究テーマである地球の大気を題材に、身の回りの現象が起きる原因について教えている。現在、このテーマを学部の専門科目として教える機会は4年次の特別講義だけ。自分の研究を全学の学生に伝える場が、全カリによって与えられている」。


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