大学は学生を有能な人材に育て上げて社会に送り出します。社会は、その人材を通して大学教育から恩恵を得ることになります。だからこそ、国公立大学はもちろん、私立大学にも国費が投入されています。大学のサービスは、学生生活を充実させるためだけではなく、将来の公共財としての学生の学習を助けるという意味があることを確認しておくべきです。
　入学時に行われるガイダンスやオリエンテーションには、直接的な教育サービスと教育の補助的なサービスとの両方が含まれています。
　教育の補助となるサービスには、奨学金、学費ローン、留学プログラム、インターンシップ、就職支援、住まい、アルバイトなど、キャンパスライフや進路に関する情報提供があります。大学院進学に関する情報やサポートもここに含まれます。
　快適な学生生活を送り、学習の妨げとなる障害を取り除くための環境整備も必要です。図書館、食堂、学生用共用スペース、クラブハウスなどが充実すれば、大学への満足度は確実に向上するでしょう。
　これらのサービスにも関わらず、学生が何らかの不満を持ったり障害を負ったりした時には、ケアが必要です。心身の健康相談室、セクシャルハラスメントやアカデミックハラスメントの対策、学内外での事故処理などのリスク管理も充実させなければいけません。