特別企画 法人化後、地方国立大学は何をしたか

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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ポイント制度

 ポイント制度とは、「定員制度に代えて全学で管理する配置職員数制度を設ける」とした中期計画の一環で、教員および部局の活力を高めるために、人件費の学長一元管理の下で、弾力的な教員人事を各部局が主体的に行えるようにしたものである。具体的には、職種別の標準給与に基づいて、教授は100、助教授は78、講師73、助手60、と職種ごとのポイント数を定め、これをそれまでの各部局の職種別教員定数に掛けることによりポイント総数を算出し、その範囲内であれば任用する職種と人数は部局の自由とするものである。
 計画的人事によって当該年度の部局の教員人件費を節約する場合、前年度に学長に申し出ることによって、インセンティブとして節約ポイント数相当額(1ポイントを10万円と換算)の6割を、部局の物件費に活用できる。
 ポイント配分は、大学全体の予算の増減や経営戦略に応じて見直す。教員人事にあたっては、部局長は中期計画等に沿って、新規採用が必要な教育研究分野等を学長に申請し、学長は役員会の意見を踏まえ申請の可否を決定する。これによって、全学的観点から各部局の教育研究分野の方向付けができるようになった。
 ポイント制度の下では教員の総人員が変動し、大学独自に退職金の積み立てが必要となるリスクはある。しかし、各部局の法人化前の教員定数を踏まえつつ、教員配置に対する部局のイニシアチブを支援(現場感覚を尊重)すると同時に、大学の経営戦略や社会情勢の変化に機動的に対応できるというメリットがある。


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