試験は、センター試験と同様、マークシート方式で行われる。国語、数学、理科、社会、英語の５教科で各60分間。「民間が実施する第２のセンター試験」と報道されて注目を集めているが、出題内容はセンター試験に比べ、基礎基本を重視する点が特色だ。これまで、私立大学・短大関係者から「センター試験では問題が難しすぎて、学力差が測れない」という声が挙がっていた。全国統一学力判定試験は、そのような大学・短大にとって「幅広い層の生徒を自校とマッチングさせるための基礎資料となる」と、期待されている。
　「入試への利用法としては、大学や短大独自で行う面接や小論文と併用して総合点で合否を決めたり、推薦入試、ＡＯ入試での選抜の基礎資料や出願資格の一つにしたりと、学校によって様々な形が想定できる」（中島会長）
　問題作成、試験運営、採点はすべて主催者側で行うので、入試業務が軽減されるというメリットがある。面接や独自に課す教科試験の問題作成など、アドミッションポリシーに則した部分に力を入れることができるわけだ。入試段階だけでなく、入学後のクラス編成や指導方法を決めるための資料にしたり、ＡＯ入試や推薦入試の合格者に対する入学前教育のポイントを考える際に参考にしたり、という活用方法も考えられる。
　このように、全国統一学力判定試験は、脱・選抜型、いわば「高大接続型」の試験といえるだろう。