選抜型から「接続型」へ！　全入時代の新しい入試

　教育制度研究フォーラムは、青少年の健全育成を図り、教育の進歩と発展に寄与することを目的に、2000年に設立された。学習の方向性を一時的に見失った不登校生や高校中退者の存在を肯定的にとらえ、学習や社会参画の機会を提供すべく、当事者と社会に働きかける活動を続けてきた。
　それらの活動とは別に、同フォーラムは高校と大学の適切な接続を目指して、「全国統一学力判定試験」を実施する。2005年10月のプレテストを経て、2006年10月、初の本試験となる。元文部省大臣官房審議官の中島章夫会長は、「幅広い層の生徒に学びの達成感を味わってもらうための新しい概念のテスト」と説明する。
　「2007年、わが国はついに大学全入時代に突入する。しかし、高校と大学や短大との接続は、いまだ選抜試験を重視する従来型のものが主体だ。高校進学率が97％となり多様な学力レベルの生徒がいる中で、自分の学びを振り返り、自信を持って進学するための新たな通過点が求められている。そこで、高校までに積み上げた学習の成果を、その後の学習や経験の基礎として判定・証明する試験を開発しようと考えた」（中島会長）
　この試験を受験することで、学びの成果を自己点検し、自信や誇りを抱いて卒業してもらいたい、との期待がある。