大学コンソーシアム京都は、1998年に、当時の文部省から財団法人として認可された。前身である任意団体「京都・大学センター」は、その４年前に設立されている。京都地域にある全大学・短大が力を合わせて、大学と地域社会との連携・発展に努めるというのが、創設の目的だった。
　京都地域の大学生・短大生は約16万5000人。京都・大学センターができた頃、東京ほど激しくはなかったものの、京都市内から他の市町村、あるいは他県に施設を移す大学が現れ、地元の自治体は危機感を抱いていた。調べてみると、京都市の人口の１割は大学生で、彼らによって市民の消費経済の10％が支えられていた。
　大学の方も、18歳人口が激減する中で、京都のイメージを高め他府県の若者を引きつけなければ、志願者確保はより厳しくなると考えた。
　京都・大学センターの構想の公表前、当時、立命館の専務理事だった川本八郎氏にお会いした。その時、「京都から１校も脱落させるわけにはいかない。そのために、全大学、府や市、経済界にも協力してもらい、何としても京都のイメージを向上させる。特に大きい大学は犠牲を払ってでも協力しないといけない。その合意は、大手の大学の間ではできた」と真剣だった。
　確かにセンターが行う事業は、大きい大学なら、自分の力でできる。高い負担金を出してまで、団体でやる理由は何か。当初の会費（負担金）は、学生一人当たり200円。現在は1000円である。一つの大学で数千万円の金を毎年、コンソーシアムに出す以上、トップには相当の覚悟が求められる。「京都の大学が結束するには、まず規模の大きい大学が乗り出さなければ」というのが、川本さんの見解だった。