単位互換を始めた時も、「教養教育」を各大学に向けて強調した。コンソーシアムの運営委員長、佐々木嬉代三・立命館大学教授は、「大学が生き残るには個性化を進める必要があるといわれていた。それには専門のところを工夫することになるだろうから、教養教育の部分はコンソーシアムで、という考え方があった」と語る。
　一方で、京都の中堅規模の大学に所属する私の知り合いの教授は、「学生たちには、教養科目の選択・履修を強調せず、逆に、『他大学の専門科目はどんなものか、この際、勉強してみては』というようなことを言っていた」と話す。
　大学と短大の授業を同じように開放し合って、うまくいくのかといった不安もあったと思う。それがふたを開けてみると、池坊短大の生け花の授業は、男子学生にも人気があり、担当教員の意欲を刺激したそうだ。
　コンソーシアムが企画する「コーディネート科目」も、人気がある。京都学、21世紀学、複合領域の３分野で、教員からテーマを募る。「京の祭り学」「クルマ社会と法」といった科目が挙がる。必要に応じてゲストスピーカーを加え、授業をする。教室は、京都市が提供する京都駅前のキャンパス・プラザ京都。立地の良さもあって、履修希望者は多いという。