改革進化論 あの挑戦は今 第3回 大学コンソーシアム京都
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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現状肯定か、さらなる挑戦か、選択の時を迎えている

 現状を肯定したまま改革を進めることも不可能ではない。それなりに目標を実現できれば、行政などから評価してもらえる。
 だが、「コンソーシアムとは何か」ということを追求するならば、数々のプログラムの目的を再度、根本的に検討する必要がある。その上で、京都の全大学の「延命」「繁栄」を図るとはどういうことで、そのために個々の大学人は何をすべきか、明確に示すことはできないものか。
 すでに、規模もタイプも様々な大学が結集し、内外から評価されている。大規模の大学も、持ち出しばかりではないという。「同志社、立命館が阪神の大学より格上になった感があるのは、コンソーシアムによって京都の大学全体が底上げされた結果ではないか」と評価する声もある。
 つまり、コンソーシアム京都は、この10年で一つの山を登ったのである。そこで登山をやめてトレッキングを続けるか、もう一度、さらなる難関にチャレンジするか。その選択の時期に来ているのではないだろうか。
 奇しくも、コンソーシアム京都は、織田信長的な役割を果たした森島時代から、上(うえ)英之事務局長時代に入り、家康的な安定的体制を確立しなければいけない巡り合わせになっている。10年かけてここまで築いた城を拠点に、京都300年の太平を築けるかどうか。歩みが多少遅くなっても、みなが納得しながら何かを生み出す、そのことを考えてほしい。


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