調査分析

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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 第4に、入学時の期待と現在の評価の差を比較してみる。入学時の期待以上に実現できていると感じている項目は「自分の手本になる先輩に出会えること」(プラス13.2ポイント)で、逆に、期待に比べて最も落差を感じているのは「特定の専門的分野の研究に携わること」(マイナス13.2ポイント)だった(図4)。専門的分野の研究と教育に携わる大学教員には、耳の痛いデータかもしれない。

図表

 また、「社会での実務能力を身に付けること」(マイナス10.9ポイント)「最適な就職・進学指導を受けること」(マイナス13.1ポイント)は、入学時の期待を大きく下回る数値だが、これは大学のキャリア指導の現状に問題があるというよりも、学生が満足と感じる要求レベルそのものが高いと考えるべきではないか。大学にとっては、これまで試行錯誤を重ねながらキャリア指導・学生進路指導を発展させてきたキャリア支援の取り組みであるが、気質が変化した高校生・大学生の目にはもはや当然の取り組みと映ってしまっているのではないか。
 就職支援セクションは、個々の学生ケアの充実にますます意を払う必要があるだろう。


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